●米国では肉と脂肪を減らして肥満が増えた
肥満の原因としては、以前は肉や動物性脂肪の摂り過ぎが指摘されていました。
しかし最近では糖質の過剰摂取が問題視されています。
米国では1970年代から肉と脂肪を減らす食事が指導され、実際に食事中の脂肪と
タンパク質のカロリー比率は減少したのに肥満は2倍以上に増えています。
タンパク質と脂肪の摂取を減らすと糖質(穀物やイモ類に含まれるデンプンや砂糖など)
の摂取量が増えます。
糖質が消化管で分解されて吸収されるグルコース(ブドウ糖)はインスリンの分泌を刺激し、
インスリンは脂肪の合成と蓄積を促進するので体脂肪が増えて肥満になります。
インスリンは肥満を引き起こすホルモンなのです。
体脂肪が増えるとインスリンの効き目が弱くなる(インスリン抵抗性という)ので、
さらに血中のインスリン濃度が高くなるという悪循環を形成します。
高インスリン血症ががんや動脈硬化やメタボリック症候群の発症リスクを高めることは
多くの研究で確かめられています。
フルクトース(果糖)は血糖やインスリン分泌を高めないのですが、肝臓で中性脂肪の
合成に使用され、肥満や脂肪肝や高脂血症を引き起こしやすい糖です。
トウモロコシなどのデンプンを酵素処理して生産される高フルクトース・コーンシロップは、
グルコースとフルクトースの混合液でフルクトースが50%以上含まれています。
フルクトースはグルコースによるインスリン分泌刺激を増強することが知られています。
米国をはじめ世界中で肥満と2型糖尿病(インスリンの分泌低下や感受性低下を
原因とする糖尿病)が増えている原因として、清涼飲料水などからの高フルクトース
・コーンシロップや砂糖などの糖類の摂取量の増加が指摘されています。
高フルクトース・コーンシロップ(異性化液糖や果糖ぶどう糖液糖とも呼ばれる)は
日本でも多くの食品に添加され、消費量が増えています。
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