血圧は年齢+90説
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植民地では嘘の架空の人生や価値観強制される奴隷ワニから
自分の寿命や命が尽きるのがとても怖いワニのよ
なんせ支配者ユ〇ヤ様の御都合の為に低賃金労務で〇し合いさせられてる世界ワニからね
本当の崇高な神の世界で自分はどうあってどう死するべきか!という思想概念で
生きてないと遺憾のワニよ本来ワニわ
本来人間の短い100年足らずの人生は胴回り気にして生きる為にある訳でないワニの
自分の寿命や命が尽きるのがとても怖いワニのよ
なんせ支配者ユ〇ヤ様の御都合の為に低賃金労務で〇し合いさせられてる世界ワニからね
本当の崇高な神の世界で自分はどうあってどう死するべきか!という思想概念で
生きてないと遺憾のワニよ本来ワニわ
本来人間の短い100年足らずの人生は胴回り気にして生きる為にある訳でないワニの
サプリで下がる程度なら端から心配ないじゃろ
血圧は人によってまちまちらしいよ。
自分は通常上が210有る、血圧の専門医師に大丈夫?
頭痛くないですか?めまいは?とか聞かれたが
何ともない、検査もしたが血圧の値以外何も問題なし、体質だと言う事だった。
自分は通常上が210有る、血圧の専門医師に大丈夫?
頭痛くないですか?めまいは?とか聞かれたが
何ともない、検査もしたが血圧の値以外何も問題なし、体質だと言う事だった。
ナッツ類、バナナはカリウム多いから血圧下げると言われている。
>自分は通常上が210有る、
>頭痛くないですか?めまいは?とか聞かれたが何ともない、
俺の知り合いで、超メタボ体型なのに、血圧が逆に低い人がいる。
その人が言うには遺伝らしい。
だから君もそういうのがあるのかも知れないけど、しかしその数値は結果だからね。
いくら頭痛などの症状がなくても、やばいと思うよ。
下手したら脳梗塞、心筋梗塞などで即死だよ。
もし太っているなら、体質改善をした方が良いと思うよ。
>頭痛くないですか?めまいは?とか聞かれたが何ともない、
俺の知り合いで、超メタボ体型なのに、血圧が逆に低い人がいる。
その人が言うには遺伝らしい。
だから君もそういうのがあるのかも知れないけど、しかしその数値は結果だからね。
いくら頭痛などの症状がなくても、やばいと思うよ。
下手したら脳梗塞、心筋梗塞などで即死だよ。
もし太っているなら、体質改善をした方が良いと思うよ。
キリンかよw
今は135超えたら皆高血圧。血圧降下剤って死ぬまで飲み続けるから、医者も製薬メーカーも安定して儲かる
血圧が高くないと血栓で詰まって、脳梗塞や心筋梗塞になる恐れもあるらしい
血圧が高い・低いと言う病気は無い。
単なる血液(血管)の圧力の数値。
単なる血液(血管)の圧力の数値。
■迷信やデマが多いので要注意
高血圧については、さまざまな迷信やデマが飛び交っているので注意が必要です。
たまに「医者は金儲けのために安易に降圧薬を処方している」という声を聞きますが、
多くの医師は薬に頼らず生活習慣の改善によって血圧を下げてほしいと願っています。
しかも、薬を処方しても医師の儲けにはなりません。
「降圧薬を飲み始めると一生飲み続けなければならない」という誤解もみられますが、
食事療法や肥満解消がきっかけで血圧が下がり、降圧薬を減量または中止できる例もあります。
こうしたデマを広めるのは一般の人とは限りません。
医師が書いた「今は血圧が200mmHg以上でもまず血管が破れることはない」
「私自身が血圧200mmHgを数年間放っておいたが平気だった」などといった記事は、
間違っているだけでなく危険なのにもかかわらず大人気です。
血圧が高くて心配な読者が安心できるためでしょう。
また、正常血圧についての誤解もよく見かけます。
血圧は年齢とともに上昇するため、収縮期血圧の正常値が「年齢+90」
とされていた時代がありました。
この基準だと、60歳の正常収縮期血圧は150mmHg、80歳では170mmHgです。
高すぎますね。
その後、高齢者も降圧治療をしたほうが予後がよいという複数の研究結果を反映し、
正常値は現在のように改定されました。
高血圧については、さまざまな迷信やデマが飛び交っているので注意が必要です。
たまに「医者は金儲けのために安易に降圧薬を処方している」という声を聞きますが、
多くの医師は薬に頼らず生活習慣の改善によって血圧を下げてほしいと願っています。
しかも、薬を処方しても医師の儲けにはなりません。
「降圧薬を飲み始めると一生飲み続けなければならない」という誤解もみられますが、
食事療法や肥満解消がきっかけで血圧が下がり、降圧薬を減量または中止できる例もあります。
こうしたデマを広めるのは一般の人とは限りません。
医師が書いた「今は血圧が200mmHg以上でもまず血管が破れることはない」
「私自身が血圧200mmHgを数年間放っておいたが平気だった」などといった記事は、
間違っているだけでなく危険なのにもかかわらず大人気です。
血圧が高くて心配な読者が安心できるためでしょう。
また、正常血圧についての誤解もよく見かけます。
血圧は年齢とともに上昇するため、収縮期血圧の正常値が「年齢+90」
とされていた時代がありました。
この基準だと、60歳の正常収縮期血圧は150mmHg、80歳では170mmHgです。
高すぎますね。
その後、高齢者も降圧治療をしたほうが予後がよいという複数の研究結果を反映し、
正常値は現在のように改定されました。
■臨床医は常に知識を更新すべき
2019年の日本の高血圧治療ガイドラインでは、75歳未満の降圧目標値は130/80mmHg、
75歳以上の高齢者は140/90mmHgです。
降圧目標値は、年齢だけでなく、糖尿病や慢性腎臓病といった他のリスク因子の
有無によっても異なります。
高血圧治療ガイドラインは全文がインターネットで公開されていますので、
興味がある方はぜひ検索して読んでみてください。
患者さんの健康と命を預かる臨床医は、常に知識を更新し続けなければなりません。
1999年時点ですでに
「年齢に定数を加えた数字を正常値とする古い知識に基づいて考えることはもはや許されない」
と指摘されています(※3)。
それなのに、2023年の現在も特に根拠を示さず、
「年齢+90という昔の収縮期血圧の基準は当たっていると思います」
と主張する医師もいます。
過半数を超える高齢者が高血圧と診断されることが、
現基準に対する疑問になっているようです。
しかし、例えば今の小学生の7割以上が近視だからといって、
近視の診断基準がおかしいと言えるでしょうか。
もちろん、言えませんね。
診断基準をより狭くして、視力がすごく悪い人だけを近視だと診断して
他を正常とするより、遠くのものが見えにくくて困っている子供全員を
支援したほうがいいでしょう。
それと同様に臨床医は患者さんが他の同年代の人と比較して血圧か高いかどうかより、
どんな治療を行えば将来の病気を予防できるかを検討します。
2019年の日本の高血圧治療ガイドラインでは、75歳未満の降圧目標値は130/80mmHg、
75歳以上の高齢者は140/90mmHgです。
降圧目標値は、年齢だけでなく、糖尿病や慢性腎臓病といった他のリスク因子の
有無によっても異なります。
高血圧治療ガイドラインは全文がインターネットで公開されていますので、
興味がある方はぜひ検索して読んでみてください。
患者さんの健康と命を預かる臨床医は、常に知識を更新し続けなければなりません。
1999年時点ですでに
「年齢に定数を加えた数字を正常値とする古い知識に基づいて考えることはもはや許されない」
と指摘されています(※3)。
それなのに、2023年の現在も特に根拠を示さず、
「年齢+90という昔の収縮期血圧の基準は当たっていると思います」
と主張する医師もいます。
過半数を超える高齢者が高血圧と診断されることが、
現基準に対する疑問になっているようです。
しかし、例えば今の小学生の7割以上が近視だからといって、
近視の診断基準がおかしいと言えるでしょうか。
もちろん、言えませんね。
診断基準をより狭くして、視力がすごく悪い人だけを近視だと診断して
他を正常とするより、遠くのものが見えにくくて困っている子供全員を
支援したほうがいいでしょう。
それと同様に臨床医は患者さんが他の同年代の人と比較して血圧か高いかどうかより、
どんな治療を行えば将来の病気を予防できるかを検討します。
■ガイドラインだけが全てではない
しかも、臨床の現場では、ガイドラインにおける降圧目標値だけで治療方針を
決めることはありません。
高血圧の標準治療において、高齢者に対する治療方針は、若年層とは異なります。
若い患者さんは、今後の人生を考えると厳格な降圧治療から得られる利益が大きいもの。
一方、高齢の患者さんは治療から得られる利益が相対的に小さく、副作用も出やすいためです。
降圧剤の副作用で腎機能が低下したり、立ちくらみが起こったりする場合は、
無理に血圧を下げないようにします。
患者さんの価値観も大事です。
少しでも将来の心疾患リスクを下げたい患者さんもいれば、
将来のリスクを重視するよりもあまり薬を飲みたくないという患者さんもいます。
そもそも臨床試験に参加できるような「元気な高齢者」に対する降圧治療の有用性は
確認されていますが、高齢者がみな元気とは限りません。
筋力低下や認知症などといった身体的機能や認知機能の低下がある高齢者に対する
降圧治療の有用性については十分なエビデンスがないのです。
いくつかの観察研究によると、身体機能や認知機能が低下した高齢者の場合、
高血圧の治療を受けているほうが死亡率が高いことが示されています。
臨床医は血圧を治療しているのではなく患者さんを治療しているので、
個別の事情を考慮して治療方針を変えるのが普通です。
しかも、臨床の現場では、ガイドラインにおける降圧目標値だけで治療方針を
決めることはありません。
高血圧の標準治療において、高齢者に対する治療方針は、若年層とは異なります。
若い患者さんは、今後の人生を考えると厳格な降圧治療から得られる利益が大きいもの。
一方、高齢の患者さんは治療から得られる利益が相対的に小さく、副作用も出やすいためです。
降圧剤の副作用で腎機能が低下したり、立ちくらみが起こったりする場合は、
無理に血圧を下げないようにします。
患者さんの価値観も大事です。
少しでも将来の心疾患リスクを下げたい患者さんもいれば、
将来のリスクを重視するよりもあまり薬を飲みたくないという患者さんもいます。
そもそも臨床試験に参加できるような「元気な高齢者」に対する降圧治療の有用性は
確認されていますが、高齢者がみな元気とは限りません。
筋力低下や認知症などといった身体的機能や認知機能の低下がある高齢者に対する
降圧治療の有用性については十分なエビデンスがないのです。
いくつかの観察研究によると、身体機能や認知機能が低下した高齢者の場合、
高血圧の治療を受けているほうが死亡率が高いことが示されています。
臨床医は血圧を治療しているのではなく患者さんを治療しているので、
個別の事情を考慮して治療方針を変えるのが普通です。
■高血圧治療に関する情報の見極め方
現在でも、高血圧は脳出血の主要なリスク因子の一つです。
たまたま放置していても平気だった事例だけを取り上げて、
高血圧の危険性を否定することはできません。
インターネット上の記事や一般書の医療情報は玉石混交です。
間違った医療情報を真に受けて高血圧を放置すると、
脳出血や心筋梗塞を起こして後遺症が残ったり、
命を失ったりするかもしれません。
こうして医師の言うことがそれぞれに違っていると、患者さんは混乱すると思います。
ですが、表現の自由がありますから、医学的に誤った情報を述べることを強制的に
禁止することはできないのです。
メディアでは「正しいけれどもわかりにくい情報」よりも、
「間違っていても単純でわかりやすい情報」のほうがより注目を浴びやすく、
専門家の99%が同意しかねる意見であっても、一般の人たちに広く支持されて
しまうことがあります。
情報の真偽に関しては、現段階では残念ながら、患者さん側で判断していただくしか
ないのが現状です。
判断の助けとなる一つの目安として、学会のコンセンサスに反対しておきながら、
学会や医学誌ではなく一般書でしか自説を主張しない人は、専門家からは相手にされない
主張しかできないと推測していただくといいと思います。
現在でも、高血圧は脳出血の主要なリスク因子の一つです。
たまたま放置していても平気だった事例だけを取り上げて、
高血圧の危険性を否定することはできません。
インターネット上の記事や一般書の医療情報は玉石混交です。
間違った医療情報を真に受けて高血圧を放置すると、
脳出血や心筋梗塞を起こして後遺症が残ったり、
命を失ったりするかもしれません。
こうして医師の言うことがそれぞれに違っていると、患者さんは混乱すると思います。
ですが、表現の自由がありますから、医学的に誤った情報を述べることを強制的に
禁止することはできないのです。
メディアでは「正しいけれどもわかりにくい情報」よりも、
「間違っていても単純でわかりやすい情報」のほうがより注目を浴びやすく、
専門家の99%が同意しかねる意見であっても、一般の人たちに広く支持されて
しまうことがあります。
情報の真偽に関しては、現段階では残念ながら、患者さん側で判断していただくしか
ないのが現状です。
判断の助けとなる一つの目安として、学会のコンセンサスに反対しておきながら、
学会や医学誌ではなく一般書でしか自説を主張しない人は、専門家からは相手にされない
主張しかできないと推測していただくといいと思います。
実は「階段」を歩いて「下りる」だけで効果的…薬でも減塩でもない「まったく新しい血圧の下げ方」が見つかった!
https://gendai.media/articles/-/119446?imp=...
高血圧の改善……といえば、たいてい注目されるのは「血管」や「血流」だった。
しかし、最新の研究は「脳」にスポットを当てた。
新たに解明されたしくみを活用して、効率的・合理的に血圧を下げよう!
●適度な運動が血圧を下げる「メカニズム」
この夏、「高血圧」についてのまったく新しい、画期的な論文が、
医師や研究者たちのあいだで大きな反響と衝撃をもって迎えられた。
長きにわたって高血圧改善についての研究をつづけてきた、
愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也さんが感慨深げに言う。
「たいへん素晴らしい基礎研究だと思います。
この研究によって、血圧を下げるためのより効果的な方法についてさらに議論が進むと思います」
イギリスの著名な科学誌『Nature Biomedical Engineering』に掲載されたこの論文がそれほどの評価を得ているのは、
これまでほとんど明らかになっていなかった重要な事実をつまびらかにしたからだ。
論文が解明したのは、「適度な運動」が、血圧を低下させるしくみ、メカニズムである。
そんなしくみ、とっくの昔にわかっていたのでは? と思う方もいるかもしれない。
しかし、そうではない。
https://gendai.media/articles/-/119446?imp=...
高血圧の改善……といえば、たいてい注目されるのは「血管」や「血流」だった。
しかし、最新の研究は「脳」にスポットを当てた。
新たに解明されたしくみを活用して、効率的・合理的に血圧を下げよう!
●適度な運動が血圧を下げる「メカニズム」
この夏、「高血圧」についてのまったく新しい、画期的な論文が、
医師や研究者たちのあいだで大きな反響と衝撃をもって迎えられた。
長きにわたって高血圧改善についての研究をつづけてきた、
愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也さんが感慨深げに言う。
「たいへん素晴らしい基礎研究だと思います。
この研究によって、血圧を下げるためのより効果的な方法についてさらに議論が進むと思います」
イギリスの著名な科学誌『Nature Biomedical Engineering』に掲載されたこの論文がそれほどの評価を得ているのは、
これまでほとんど明らかになっていなかった重要な事実をつまびらかにしたからだ。
論文が解明したのは、「適度な運動」が、血圧を低下させるしくみ、メカニズムである。
そんなしくみ、とっくの昔にわかっていたのでは? と思う方もいるかもしれない。
しかし、そうではない。
この論文の主要執筆者のひとり、国立障害者リハビリテーションセンター病院で
臨床研究開発部部長をつとめる澤田泰宏さんが解説する。
「適度な運動が血圧を下げること自体は、たしかにこれまでもよく知られていました。
しかし、根拠をもってそのメカニズムを示した研究は、じつはほとんど存在していなかったのです。
私たちの論文は、その点、エビデンス(=証拠)とともに、
適度な運動が血圧を下げるメカニズムを明らかにするものとなりました。
今回、運動と血圧の関係が明らかになったことによって、
血圧を下げるためのより効果的な運動がどのようなものなのかが明確になってくると思います。
また、このメカニズムにもとづいて高血圧の方がよりモチベーション高く
運動をしてくれるようになることを強く期待しています」
●キーワードは「脳」と「衝撃」
よく知られているように、高血圧は心筋梗塞や脳卒中といった「死に至る病」につながる。
いってみれば「確実に寿命を縮める危険因子」(前出・伊賀瀬さん)である。
その「危険因子」が、運動によって取り除かれるメカニズムとは、どのようなものなのか。
この研究において注目すべきキーワードは意外なものだ。それは、「脳」と「衝撃」である。
「ごくシンプルに言えば、運動によって脳にくわわる物理的な衝撃が、
血圧を下げる効果をもっているということです」(前出・澤田さん)
どういうことか。澤田さんがつづける。
臨床研究開発部部長をつとめる澤田泰宏さんが解説する。
「適度な運動が血圧を下げること自体は、たしかにこれまでもよく知られていました。
しかし、根拠をもってそのメカニズムを示した研究は、じつはほとんど存在していなかったのです。
私たちの論文は、その点、エビデンス(=証拠)とともに、
適度な運動が血圧を下げるメカニズムを明らかにするものとなりました。
今回、運動と血圧の関係が明らかになったことによって、
血圧を下げるためのより効果的な運動がどのようなものなのかが明確になってくると思います。
また、このメカニズムにもとづいて高血圧の方がよりモチベーション高く
運動をしてくれるようになることを強く期待しています」
●キーワードは「脳」と「衝撃」
よく知られているように、高血圧は心筋梗塞や脳卒中といった「死に至る病」につながる。
いってみれば「確実に寿命を縮める危険因子」(前出・伊賀瀬さん)である。
その「危険因子」が、運動によって取り除かれるメカニズムとは、どのようなものなのか。
この研究において注目すべきキーワードは意外なものだ。それは、「脳」と「衝撃」である。
「ごくシンプルに言えば、運動によって脳にくわわる物理的な衝撃が、
血圧を下げる効果をもっているということです」(前出・澤田さん)
どういうことか。澤田さんがつづける。
「脳を高野豆腐のようなものだとイメージしてみてください。
脳=高野豆腐には、『間質液』という液体が含まれています。
ジョギングなど軽い運動をすると脳に衝撃がくわわり、
あたかも高野豆腐の煮汁が染み出すように、
『間質液』が脳の外にジュッと染み出してきたり、
脳のなかで動いたりするのです。
動かされた間質液は、細胞をこするようにして脳の細胞に刺激を与えます。
興味深いことに、その刺激が、高血圧を引き起こすうえで重要な働きをしている
『アンジオテンシン受容体』というタンパク質の発現を抑える。
その結果、血圧を下げることができる―これが、今回の研究で明らかになった
血圧低下のメカニズムです。
そもそも、血圧の上がり下がりに、脳や『アンジオテンシン受容体』が
深く関係していることは、研究者のあいだでは常識的な知識でした。
私たちの研究は、そのことと運動の関係を明らかにしたものともいえるかもしれません」
●1ヵ月で「9」下がった
今回の研究では、まずラットを利用した実験をおこない、このメカニズムを検証した。
高血圧状態にしたラットの頭部を、専用の機械によって毎秒2回上下動させるという実験である。
ランニングをしたときにかかるのと同じくらいの衝撃(1Gほど)がラットの頭部にかかるようにし、
その血圧低下効果を測定するためだ。
結果はどうだったか?
脳=高野豆腐には、『間質液』という液体が含まれています。
ジョギングなど軽い運動をすると脳に衝撃がくわわり、
あたかも高野豆腐の煮汁が染み出すように、
『間質液』が脳の外にジュッと染み出してきたり、
脳のなかで動いたりするのです。
動かされた間質液は、細胞をこするようにして脳の細胞に刺激を与えます。
興味深いことに、その刺激が、高血圧を引き起こすうえで重要な働きをしている
『アンジオテンシン受容体』というタンパク質の発現を抑える。
その結果、血圧を下げることができる―これが、今回の研究で明らかになった
血圧低下のメカニズムです。
そもそも、血圧の上がり下がりに、脳や『アンジオテンシン受容体』が
深く関係していることは、研究者のあいだでは常識的な知識でした。
私たちの研究は、そのことと運動の関係を明らかにしたものともいえるかもしれません」
●1ヵ月で「9」下がった
今回の研究では、まずラットを利用した実験をおこない、このメカニズムを検証した。
高血圧状態にしたラットの頭部を、専用の機械によって毎秒2回上下動させるという実験である。
ランニングをしたときにかかるのと同じくらいの衝撃(1Gほど)がラットの頭部にかかるようにし、
その血圧低下効果を測定するためだ。
結果はどうだったか?
驚くべきことに、ラットの脳のなかで、さきほど述べた「アンジオテンシン受容体」
の発現が抑えられ、血圧も明らかに低下したのである。
この研究ではつづいて、人間を対象にした実験もおこなっている。
その検証結果は、目をみはるようなものだった。
まず、座面が上下に動く専用のイスを準備する。
人間がこれに乗ると、頭部に1Gの衝撃がくわわるというイスである。
このイスに、血圧が高めの被験者27人に乗ってもらう。
時間は1日30分、頻度は週に3回だ。
それを4・5週間つづけたところ、被験者の平均血圧は、驚くような変化を見せた。
その数字の変化は、
・最高血圧:141・9→132・9
・最低血圧:90・3→85・4
というもの。
「しかも4・5週間イスに乗ったあと、いったんイスに乗るのをやめても、
すぐに血圧がもとの数値に戻ってしまうわけではなかった。
その後も1ヵ月にわたって血圧低下の効果が持続したのです」(澤田さん)
座って上下に動くだけで血圧が下がってしまった―。
高血圧に悩んでいる人のなかには、減塩を意識し、降圧剤を服用し、日々それなりにたいへんな運動をし…
…と高血圧対策に苦労を感じている人もいるかもしれない。
しかし、このまったく新しい研究の知見を活かせば、より効率的に、無理をせずに血圧を下げられそうだ。
では、この研究の成果を日常生活に活かすにはどうすればいいのか。
の発現が抑えられ、血圧も明らかに低下したのである。
この研究ではつづいて、人間を対象にした実験もおこなっている。
その検証結果は、目をみはるようなものだった。
まず、座面が上下に動く専用のイスを準備する。
人間がこれに乗ると、頭部に1Gの衝撃がくわわるというイスである。
このイスに、血圧が高めの被験者27人に乗ってもらう。
時間は1日30分、頻度は週に3回だ。
それを4・5週間つづけたところ、被験者の平均血圧は、驚くような変化を見せた。
その数字の変化は、
・最高血圧:141・9→132・9
・最低血圧:90・3→85・4
というもの。
「しかも4・5週間イスに乗ったあと、いったんイスに乗るのをやめても、
すぐに血圧がもとの数値に戻ってしまうわけではなかった。
その後も1ヵ月にわたって血圧低下の効果が持続したのです」(澤田さん)
座って上下に動くだけで血圧が下がってしまった―。
高血圧に悩んでいる人のなかには、減塩を意識し、降圧剤を服用し、日々それなりにたいへんな運動をし…
…と高血圧対策に苦労を感じている人もいるかもしれない。
しかし、このまったく新しい研究の知見を活かせば、より効率的に、無理をせずに血圧を下げられそうだ。
では、この研究の成果を日常生活に活かすにはどうすればいいのか。
●1ヵ月「階段を下りる」だけでOK
「なにより手っ取り早いのは、『階段を下りる』ことです。『上る』のではなく『下りる』のです」
と澤田さんは言う。
血圧を下げるためにはなんとなく「上り」のほうが効果がありそうな気がするが……。
「今回の論文の知見にもとづけば、階段は上るときよりも、下りるときのほうが脳に衝撃がくわわるので、
血圧低下の効果が大きいと考えられます。
血圧を下げたい方は、まずはこれまで『下りのエスカレーター』を使っていたのを階段に変えてみるのがいいでしょう。
階段を上るのはキツいという方も、下りるだけならやりやすいですよね。
しかも効果があるんですから、ぜひ試していただきたい。
また、今回の研究は、脳への衝撃を1ヵ月つづけることによって血圧低下をもたらしました。
即効性を期待するのではなく、まずは1ヵ月、日常生活で階段を下りることを意識しつづけてみてください」(澤田さん)
「なにより手っ取り早いのは、『階段を下りる』ことです。『上る』のではなく『下りる』のです」
と澤田さんは言う。
血圧を下げるためにはなんとなく「上り」のほうが効果がありそうな気がするが……。
「今回の論文の知見にもとづけば、階段は上るときよりも、下りるときのほうが脳に衝撃がくわわるので、
血圧低下の効果が大きいと考えられます。
血圧を下げたい方は、まずはこれまで『下りのエスカレーター』を使っていたのを階段に変えてみるのがいいでしょう。
階段を上るのはキツいという方も、下りるだけならやりやすいですよね。
しかも効果があるんですから、ぜひ試していただきたい。
また、今回の研究は、脳への衝撃を1ヵ月つづけることによって血圧低下をもたらしました。
即効性を期待するのではなく、まずは1ヵ月、日常生活で階段を下りることを意識しつづけてみてください」(澤田さん)
>>21>>23
「高血圧は脳出血の主要なリスク因子の一つです」
「高血圧は心筋梗塞や脳卒中といった死に至る病につながる」
以前に親が高血圧と診断されたので、図書館にある血圧関係の本をすべて借りて
読んだことがありますが。そのようなことが書いてあったどうか、記憶が定かで
ありませんが。
①そこで言う高血圧の数値はいくらですか?また、年齢とは無関係ですか?
②医学的な根拠は何ですか?
③データはありますか。これこれの年齢でこれこれの血圧の人は、これこれの病気に
罹る確率がこれこれで、その数値は統計学的に異常とみなされるという風な。
>>28
後学のためにお聞きしたいのですが。
「ほとんどの高血圧患者」「高血圧を軽く見て放置した人の悲惨な末路」「嫌というほど見てきた」
①嫌というほど見て来たというそのサンプルは、およそどのくらいの数ですが。
②その高血圧患者というのは、年齢はいくつで血圧はいくらだったのですか?
③悲惨の末路と高血圧の因果関係は明らかなのですか?
「高血圧は脳出血の主要なリスク因子の一つです」
「高血圧は心筋梗塞や脳卒中といった死に至る病につながる」
以前に親が高血圧と診断されたので、図書館にある血圧関係の本をすべて借りて
読んだことがありますが。そのようなことが書いてあったどうか、記憶が定かで
ありませんが。
①そこで言う高血圧の数値はいくらですか?また、年齢とは無関係ですか?
②医学的な根拠は何ですか?
③データはありますか。これこれの年齢でこれこれの血圧の人は、これこれの病気に
罹る確率がこれこれで、その数値は統計学的に異常とみなされるという風な。
>>28
後学のためにお聞きしたいのですが。
「ほとんどの高血圧患者」「高血圧を軽く見て放置した人の悲惨な末路」「嫌というほど見てきた」
①嫌というほど見て来たというそのサンプルは、およそどのくらいの数ですが。
②その高血圧患者というのは、年齢はいくつで血圧はいくらだったのですか?
③悲惨の末路と高血圧の因果関係は明らかなのですか?
驚くべきことに、近年、欧米諸国では認知症患者数が減っています。
決して寿命が短くなっているわけではありません。
国をあげての施策が功を奏した成果だと言われています。
2013年の国際的学術誌『Lancet』に、イギリスの75歳以上の高齢者に占める認知症の割合が、
過去20年間で減少したというデータが発表されました。
その20年間でイギリス国民の平均寿命はおよそ3年延びたにもかかわらずです。
その理由を知ることができれば、日本でも認知症患者数を減らすことができるかもしれません。
イギリス政府は2007年に、“What's good for your heart is good for your head.”
(あなたの心臓に良いことはあなたの頭に良い)というスローガンを掲げ、
生活習慣の改善によって心血管系の病気を防ぎ、認知症のリスクを減らそうという国家戦略を進めたのです。
特に、「禁煙」と「高血圧の管理」を推進したそうです。
イギリスではタバコが1箱1300円程度とかなり高価だったためか、喫煙する人の割合は日本と同程度でも、
喫煙の本数は日本の3分の1程度と少なくなっています。
血圧のコントロールには、減塩が有効と考えられていますし、近年の研究から過剰な食塩摂取が
認知症を引き起こすことが示唆されています。
そこで、イギリス政府は国民に減塩を呼びかけるとともに、食品メーカーに働きかけて
販売される食品の塩分含量を減らしたそうです。
決して寿命が短くなっているわけではありません。
国をあげての施策が功を奏した成果だと言われています。
2013年の国際的学術誌『Lancet』に、イギリスの75歳以上の高齢者に占める認知症の割合が、
過去20年間で減少したというデータが発表されました。
その20年間でイギリス国民の平均寿命はおよそ3年延びたにもかかわらずです。
その理由を知ることができれば、日本でも認知症患者数を減らすことができるかもしれません。
イギリス政府は2007年に、“What's good for your heart is good for your head.”
(あなたの心臓に良いことはあなたの頭に良い)というスローガンを掲げ、
生活習慣の改善によって心血管系の病気を防ぎ、認知症のリスクを減らそうという国家戦略を進めたのです。
特に、「禁煙」と「高血圧の管理」を推進したそうです。
イギリスではタバコが1箱1300円程度とかなり高価だったためか、喫煙する人の割合は日本と同程度でも、
喫煙の本数は日本の3分の1程度と少なくなっています。
血圧のコントロールには、減塩が有効と考えられていますし、近年の研究から過剰な食塩摂取が
認知症を引き起こすことが示唆されています。
そこで、イギリス政府は国民に減塩を呼びかけるとともに、食品メーカーに働きかけて
販売される食品の塩分含量を減らしたそうです。
また、イギリスは予防医学を推進しました。
日本の医療では、病気になった人に治療を行うことで診療報酬が与えられますが、イギリスでは、
血圧や血糖値等を定期的に測定し、病気を発症しないような予防的指導をした場合にも診療報酬が
支払われる制度が導入されたそうです。
さらに、オランダ、アメリカ、スウェーデンなどからも認知症患者数が減少傾向にあるという
同様の報告がなされています。
すべての国に共通しているのは、生活習慣の改善に重点を置いたという点です。
本当にそれが良かったのかどうかは不明ですが、事実として認知症患者数が減っているのですから、
大いに参考にすべきでしょう。
治療薬の開発や介護制度の充実など、認知症になった後の対策だけでなく、イギリスをはじめとする
諸外国のように、我が国も重点政策として認知症予防に本気で取り組むべきではないでしょうか。
日本の医療では、病気になった人に治療を行うことで診療報酬が与えられますが、イギリスでは、
血圧や血糖値等を定期的に測定し、病気を発症しないような予防的指導をした場合にも診療報酬が
支払われる制度が導入されたそうです。
さらに、オランダ、アメリカ、スウェーデンなどからも認知症患者数が減少傾向にあるという
同様の報告がなされています。
すべての国に共通しているのは、生活習慣の改善に重点を置いたという点です。
本当にそれが良かったのかどうかは不明ですが、事実として認知症患者数が減っているのですから、
大いに参考にすべきでしょう。
治療薬の開発や介護制度の充実など、認知症になった後の対策だけでなく、イギリスをはじめとする
諸外国のように、我が国も重点政策として認知症予防に本気で取り組むべきではないでしょうか。
高血圧が、脳血管障害を進行させ、それにより認知症を引き起こすケースがあることは、
以前から指摘されています。
このような、脳血管性認知症に加え、最近では、高血圧がアルツハイマー型認知症の
リスクにもなりうることが、少しずつ明らかになっています。
アルツハイマー病患者の脳にみられるアミロイド斑という特殊な物質は、
アミロイドβとよばれるタンパク質が凝集してできたものです。
アミロイドβは、高血圧などにより動脈硬化が進行することで脳や心臓などに蓄積し、
これがアルツハイマー型認知症発症の一因となると推測されています。
認知症の予防には、特に、中年期における血圧管理が重要とされます。
いくつかの臨床データで、この時期の適切な降圧治療が、将来の認知機能低下を
抑制することについて示されています。
以前から指摘されています。
このような、脳血管性認知症に加え、最近では、高血圧がアルツハイマー型認知症の
リスクにもなりうることが、少しずつ明らかになっています。
アルツハイマー病患者の脳にみられるアミロイド斑という特殊な物質は、
アミロイドβとよばれるタンパク質が凝集してできたものです。
アミロイドβは、高血圧などにより動脈硬化が進行することで脳や心臓などに蓄積し、
これがアルツハイマー型認知症発症の一因となると推測されています。
認知症の予防には、特に、中年期における血圧管理が重要とされます。
いくつかの臨床データで、この時期の適切な降圧治療が、将来の認知機能低下を
抑制することについて示されています。
「上が平均150前後だが酒やタバコ、漬物を控えたら数値も体調もみるみるよくなった」
...数千人が毎日30年以上血圧を記録し続けた「奇跡の村」で発見された「真実」
●1987年から町民が「血圧を計り続けてきた」町
願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ
民俗学者の柳田国男は、岩手の村々に伝わる伝説を集めた『遠野物語』でこう記した。
その遠野のほど近く、北上山地にひっそりと抱かれる小さな農村から、
まさに日本中の高血圧に悩む人々を戦慄させるような研究成果が、
次々と生まれていることをご存じだろうか。
JR花巻駅で車に乗り換え、約30分。
鉄道は通っておらず、バスも1日4本しかない。
鬱蒼とした杉の木立を抜けると、やがて一面のブドウ畑が開け、そのむこうに黄金色の稲穂が見える。
岩手県花巻市大迫町。
人口わずか4403人のこの町は、戦後に3つの村と1つの町が合併して生まれた。
いまは町民の半数近くが高齢者となり、商店はほとんどがシャッターを下ろしている。
なにも知らなければ、ただの寂れゆく田舎町としか見えないだろう。
だが医学界、とくに全国で4300万人ともいわれる高血圧患者を抱える内科では、
大迫の名前を知らない医者はいない。
「研究を始めたのが'87年ですから、もう36年も昔になります。
大迫ではこれまで、のべ1万5000人以上が『毎日、自分で血圧を測る』ことに協力してくれています」
...数千人が毎日30年以上血圧を記録し続けた「奇跡の村」で発見された「真実」
●1987年から町民が「血圧を計り続けてきた」町
願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ
民俗学者の柳田国男は、岩手の村々に伝わる伝説を集めた『遠野物語』でこう記した。
その遠野のほど近く、北上山地にひっそりと抱かれる小さな農村から、
まさに日本中の高血圧に悩む人々を戦慄させるような研究成果が、
次々と生まれていることをご存じだろうか。
JR花巻駅で車に乗り換え、約30分。
鉄道は通っておらず、バスも1日4本しかない。
鬱蒼とした杉の木立を抜けると、やがて一面のブドウ畑が開け、そのむこうに黄金色の稲穂が見える。
岩手県花巻市大迫町。
人口わずか4403人のこの町は、戦後に3つの村と1つの町が合併して生まれた。
いまは町民の半数近くが高齢者となり、商店はほとんどがシャッターを下ろしている。
なにも知らなければ、ただの寂れゆく田舎町としか見えないだろう。
だが医学界、とくに全国で4300万人ともいわれる高血圧患者を抱える内科では、
大迫の名前を知らない医者はいない。
「研究を始めたのが'87年ですから、もう36年も昔になります。
大迫ではこれまで、のべ1万5000人以上が『毎日、自分で血圧を測る』ことに協力してくれています」
こう語るのは、東北大学名誉教授の今井潤氏だ。
同地で通称「大迫研究」と呼ばれる血圧の研究を始めた研究者である。
●大迫研究の誕生
いまでこそ、多くの日本人が自分の血圧を気にしながら暮らしているが、
かつてはそうではなかった。
「高血圧は健康によくない」という認識こそあったものの、エビデンス(科学的根拠)は乏しく、
「そもそも、血圧は下げるべきなのか」という点でさえ、医師たちの意見は割れていた。
大迫研究が始まったきっかけは、同窓会だったという。
循環器疾患や血圧が専門の今井氏と、氏の同級生で、大迫唯一の医療機関・県立大迫病院
(現大迫地域診療センター)の院長を務めていた永井謙一医師が、こんな会話を交わした。
「大迫では、脳梗塞や心筋梗塞で亡くなる人が多いんだ。
住民の健康を保つために、なにかいい方法はないものかな」
「みんなが家で血圧を測ることができれば、いちばんいいと思う。
きっと病気の予防になるはずだ」
東北は塩辛い食事が多く、脳卒中や心臓病での死亡率が高い。
とくに大迫は、岩手県内でもきわめて脳卒中が多い地域として知られていた。
今回、大迫を訪ねた記者に、82歳の女性が明かした。
同地で通称「大迫研究」と呼ばれる血圧の研究を始めた研究者である。
●大迫研究の誕生
いまでこそ、多くの日本人が自分の血圧を気にしながら暮らしているが、
かつてはそうではなかった。
「高血圧は健康によくない」という認識こそあったものの、エビデンス(科学的根拠)は乏しく、
「そもそも、血圧は下げるべきなのか」という点でさえ、医師たちの意見は割れていた。
大迫研究が始まったきっかけは、同窓会だったという。
循環器疾患や血圧が専門の今井氏と、氏の同級生で、大迫唯一の医療機関・県立大迫病院
(現大迫地域診療センター)の院長を務めていた永井謙一医師が、こんな会話を交わした。
「大迫では、脳梗塞や心筋梗塞で亡くなる人が多いんだ。
住民の健康を保つために、なにかいい方法はないものかな」
「みんなが家で血圧を測ることができれば、いちばんいいと思う。
きっと病気の予防になるはずだ」
東北は塩辛い食事が多く、脳卒中や心臓病での死亡率が高い。
とくに大迫は、岩手県内でもきわめて脳卒中が多い地域として知られていた。
今回、大迫を訪ねた記者に、82歳の女性が明かした。
●前代未聞の大規模調査
「私の父も、主人も、主人の父もみんな脳卒中で亡くなりました。
ここらでは、脳卒中で死ぬのを『あだった(当たった)』と言うんです。
『あそこの旦那さんも、あだった』って。あまりにも(脳卒中が)多いからでしょう」
漬物に干物、味の濃いおかず……。
体に悪いとわかっていても、なかなか習慣は変えられない。
内心、不安を抱いている住民は少なくなかった。
「そうした背景もあってか、住民のみなさんは研究に積極的に参加してくれました。
ただし、当時はまだ『血圧は病院で測るもの』という考え方が当たり前でしたから、
地元の保健師さんに測り方を指導してもらい、集まったデータを私と永井先生で分析する
分業体制を敷きました」(今井氏)
こうして大迫の各家庭に血圧計が配られ、地域をあげて、朝晩に血圧を測る日々が始まった。
町内の4地区が1年ごとに持ちまわりでデータを提供し、途中からは、睡眠時を含めて
1日の血圧の変動をすべて測る「24時間自由行動下血圧測定」も行われるようになった。
数千人が毎日、30年以上にわたって血圧を細かく記録し続ける―。
前代未聞のこの試みは、やがて血圧に関する数々の「新事実」の発見へとつながっていく。
いま多くの人が気をもむ、高血圧の基準である「140/90」という値さえも、
実は大迫のデータを参考に決められたものだ。
「私の父も、主人も、主人の父もみんな脳卒中で亡くなりました。
ここらでは、脳卒中で死ぬのを『あだった(当たった)』と言うんです。
『あそこの旦那さんも、あだった』って。あまりにも(脳卒中が)多いからでしょう」
漬物に干物、味の濃いおかず……。
体に悪いとわかっていても、なかなか習慣は変えられない。
内心、不安を抱いている住民は少なくなかった。
「そうした背景もあってか、住民のみなさんは研究に積極的に参加してくれました。
ただし、当時はまだ『血圧は病院で測るもの』という考え方が当たり前でしたから、
地元の保健師さんに測り方を指導してもらい、集まったデータを私と永井先生で分析する
分業体制を敷きました」(今井氏)
こうして大迫の各家庭に血圧計が配られ、地域をあげて、朝晩に血圧を測る日々が始まった。
町内の4地区が1年ごとに持ちまわりでデータを提供し、途中からは、睡眠時を含めて
1日の血圧の変動をすべて測る「24時間自由行動下血圧測定」も行われるようになった。
数千人が毎日、30年以上にわたって血圧を細かく記録し続ける―。
前代未聞のこの試みは、やがて血圧に関する数々の「新事実」の発見へとつながっていく。
いま多くの人が気をもむ、高血圧の基準である「140/90」という値さえも、
実は大迫のデータを参考に決められたものだ。
●血圧の「激変」が見える
中でも、最大の発見といえるのが「病院で測る血圧(診察室血圧)よりも、
自宅で測る血圧(家庭血圧)のほうが重要」という知見だった。
いまではこれを「常識」と思っている人も増えてきたが、裏付けを与えたのは大迫住民のデータなのだ。
血圧は、思ったよりも大きく変動している。
週に1回病院で測っても、その数値は必ずしも「その人の本来の血圧」とは一致しない。
大迫研究には現在、多くの研究者が参加しているが、その一人である帝京大学医学部教授の菊谷昌浩氏が言う。
「大迫研究では、毎朝の家庭の血圧の変動が大きい人ほど脳卒中死亡や
心血管死亡が起きやすいという報告も出されています。
こうしたことは、測る回数が圧倒的に多い家庭血圧を見なければわかりません。
加えて、病院では医者や看護師に見られ、ふだんと違う環境でドキドキして、
本来より高い値が出てしまう人もたくさんいます。
リラックスして測れる家庭血圧のほうが、より信頼できるということです」
中でも、最大の発見といえるのが「病院で測る血圧(診察室血圧)よりも、
自宅で測る血圧(家庭血圧)のほうが重要」という知見だった。
いまではこれを「常識」と思っている人も増えてきたが、裏付けを与えたのは大迫住民のデータなのだ。
血圧は、思ったよりも大きく変動している。
週に1回病院で測っても、その数値は必ずしも「その人の本来の血圧」とは一致しない。
大迫研究には現在、多くの研究者が参加しているが、その一人である帝京大学医学部教授の菊谷昌浩氏が言う。
「大迫研究では、毎朝の家庭の血圧の変動が大きい人ほど脳卒中死亡や
心血管死亡が起きやすいという報告も出されています。
こうしたことは、測る回数が圧倒的に多い家庭血圧を見なければわかりません。
加えて、病院では医者や看護師に見られ、ふだんと違う環境でドキドキして、
本来より高い値が出てしまう人もたくさんいます。
リラックスして測れる家庭血圧のほうが、より信頼できるということです」
●家で測ることで避けられるリスク
事実、大迫で取材に応じた元大工の佐々木健治さん(91)は
「'96年ごろから、毎日朝晩の血圧を測って記録している」というが、
そのノートを見せてもらったところ、かなり数値が上下していた。
たとえば今年8月だと、いちばん高い日は158/67(朝)、
いちばん低い日は100/51(夜)という具合で、
とくに上の値がまったく違う。
「朝はNHKの朝のドラマを見る前、夜は寝る前の9時ごろに測ります。
毎日血圧を見ていると、思ったより高くなったり低くなったりして、
それに合わせて体調も変わる。
高いなと思ったら、塩辛いものを控えるんですが、
そうすると数字が落ち着いてくるから面白いものです」(佐々木さん)
これが仮に、病院で月に数回測るだけであれば、
「上158」の日に当たると「高すぎるから薬を増やそう」となるかもしれないし、
逆に「上100」の日に当たると「低血圧」と診断されるかもしれない。
「たまたま」出た数値で判断することの恐ろしさがよくわかる。
なお大迫研究では、自宅で測った脈拍数が高い人も脳卒中や
心筋梗塞などのリスクが高くなることが判明している。
こうした事実も、追跡調査で初めてわかったことだ。
大迫で長年農家を営む男性(69)も、3年ほど前から毎日血圧を測るようになり、
日々の数値の変動に驚いているという。
事実、大迫で取材に応じた元大工の佐々木健治さん(91)は
「'96年ごろから、毎日朝晩の血圧を測って記録している」というが、
そのノートを見せてもらったところ、かなり数値が上下していた。
たとえば今年8月だと、いちばん高い日は158/67(朝)、
いちばん低い日は100/51(夜)という具合で、
とくに上の値がまったく違う。
「朝はNHKの朝のドラマを見る前、夜は寝る前の9時ごろに測ります。
毎日血圧を見ていると、思ったより高くなったり低くなったりして、
それに合わせて体調も変わる。
高いなと思ったら、塩辛いものを控えるんですが、
そうすると数字が落ち着いてくるから面白いものです」(佐々木さん)
これが仮に、病院で月に数回測るだけであれば、
「上158」の日に当たると「高すぎるから薬を増やそう」となるかもしれないし、
逆に「上100」の日に当たると「低血圧」と診断されるかもしれない。
「たまたま」出た数値で判断することの恐ろしさがよくわかる。
なお大迫研究では、自宅で測った脈拍数が高い人も脳卒中や
心筋梗塞などのリスクが高くなることが判明している。
こうした事実も、追跡調査で初めてわかったことだ。
大迫で長年農家を営む男性(69)も、3年ほど前から毎日血圧を測るようになり、
日々の数値の変動に驚いているという。
「平均すると上が150前後ですが、酒を飲んだりタバコを吸ったり、体を動かしたりすると如実に上がる。
私は、祖父も親父も脳梗塞で亡くしたんです。最初は嫌々測り始めたけれど、あるとき、
高い日が続いたので酒やタバコ、大好物の漬物を控えたら、数値も体調もみるみるよくなった。
それから習慣になりました」
●血圧が上がる時間帯も重要
こうして住民が朝晩と血圧を測る中で、もうひとつ浮かび上がってきたのが、
いつ血圧が高くなるかによってなりやすい病気が異なるという事実だ。
早朝から昼間にかけて高い人は脳出血での死亡率が、
夜間に高い人は脳梗塞や心筋梗塞など心疾患での死亡率が高い。
血圧は本来、朝がもっとも高く、時間が経つにつれて下がっていく。
それがなんらかの理由で夜になっても下がらなかったり、
あるいは睡眠時に下がった血圧が起床したとき急激に上がったりすると、
脳卒中などのリスクが高くなると考えられる。
前出の菊谷氏が言う。
「本来は血圧が下がるはずの睡眠時や安静時に下がらないと、血管が休まる暇がありません。
夜中に血圧が下がらない人は、睡眠時無呼吸症候群や腎臓の障害が隠れている可能性もあります」
また、もうひとつ数値の変動という点からいえば、病院では血圧が低いが自宅では高い
「仮面高血圧」タイプの人も要注意だ。
大迫研究では、このタイプは脳卒中や心疾患の発症・死亡リスクが正常血圧の人の2倍
高いことがわかっている。
私は、祖父も親父も脳梗塞で亡くしたんです。最初は嫌々測り始めたけれど、あるとき、
高い日が続いたので酒やタバコ、大好物の漬物を控えたら、数値も体調もみるみるよくなった。
それから習慣になりました」
●血圧が上がる時間帯も重要
こうして住民が朝晩と血圧を測る中で、もうひとつ浮かび上がってきたのが、
いつ血圧が高くなるかによってなりやすい病気が異なるという事実だ。
早朝から昼間にかけて高い人は脳出血での死亡率が、
夜間に高い人は脳梗塞や心筋梗塞など心疾患での死亡率が高い。
血圧は本来、朝がもっとも高く、時間が経つにつれて下がっていく。
それがなんらかの理由で夜になっても下がらなかったり、
あるいは睡眠時に下がった血圧が起床したとき急激に上がったりすると、
脳卒中などのリスクが高くなると考えられる。
前出の菊谷氏が言う。
「本来は血圧が下がるはずの睡眠時や安静時に下がらないと、血管が休まる暇がありません。
夜中に血圧が下がらない人は、睡眠時無呼吸症候群や腎臓の障害が隠れている可能性もあります」
また、もうひとつ数値の変動という点からいえば、病院では血圧が低いが自宅では高い
「仮面高血圧」タイプの人も要注意だ。
大迫研究では、このタイプは脳卒中や心疾患の発症・死亡リスクが正常血圧の人の2倍
高いことがわかっている。
その一方で仮面高血圧は内向的な性格の人に多いというデータもあるから、
心当たりがある人は気をつけるべきだろう。
●人間ドックをやめた
前出の佐々木さんもそうだが、高齢になると上の血圧と下の血圧の差が大きくなる人が珍しくない。
そうしたときに、「どちらを気にするべきなのか」と迷うことがある。
大迫研究では、「上の血圧と下の血圧、どちらがより重要か」という問題についても調査されている。
結論からいえば「下の血圧はあまり気にしなくていい」が正解だ。
「下の血圧だけ高い人」は、病気のリスクが正常血圧の人と変わらないことが判明している。
ちなみに「上だけ高い人」の場合は「上も下も高い人」と同じくらい脳・心臓疾患のリスクが大きいので、
安心は禁物である。
長年、大迫の人々が血圧を測り続けたことは、思わぬ副産物ももたらした。
ひとつは他でもない、住民の健康が目に見えて向上したことだ。
'95年のデータと比べると、脳卒中の発症率は約3分の1にまで減り、死亡率も大きく下がった。
「大迫研究では血圧を測りっぱなしにするのではなく、高血圧だとわかった人にはしっかりそのことを伝え、
かかりつけの医療機関や(前出の)今井先生や私も治療を担当している高血圧外来に紹介します」(前出・菊谷氏)
心当たりがある人は気をつけるべきだろう。
●人間ドックをやめた
前出の佐々木さんもそうだが、高齢になると上の血圧と下の血圧の差が大きくなる人が珍しくない。
そうしたときに、「どちらを気にするべきなのか」と迷うことがある。
大迫研究では、「上の血圧と下の血圧、どちらがより重要か」という問題についても調査されている。
結論からいえば「下の血圧はあまり気にしなくていい」が正解だ。
「下の血圧だけ高い人」は、病気のリスクが正常血圧の人と変わらないことが判明している。
ちなみに「上だけ高い人」の場合は「上も下も高い人」と同じくらい脳・心臓疾患のリスクが大きいので、
安心は禁物である。
長年、大迫の人々が血圧を測り続けたことは、思わぬ副産物ももたらした。
ひとつは他でもない、住民の健康が目に見えて向上したことだ。
'95年のデータと比べると、脳卒中の発症率は約3分の1にまで減り、死亡率も大きく下がった。
「大迫研究では血圧を測りっぱなしにするのではなく、高血圧だとわかった人にはしっかりそのことを伝え、
かかりつけの医療機関や(前出の)今井先生や私も治療を担当している高血圧外来に紹介します」(前出・菊谷氏)
●お金も節約できる
もうひとつ、特筆すべきは経済効果だ。
前出の農家の男性が「血圧を測り始めてからは健康診断に引っかからなくなり、人間ドックにも行かなくなった」
と語るように、個人レベルでの検診費用の節約につながっているほか、町全体でも医療費削減に成功している。
75歳の男性は、記者にこんな経験を明かした。
「私は10年ほど前から研究にデータを提供しているのですが、冗談抜きで命を救われました。
2年ほど前、毎日の血圧がとても不安定になったときがあって、妻にも『顔色が悪い』と言われたので、
花巻の大きな病院を紹介してもらったんです。
精密検査を受けたら、くも膜下出血の寸前だと言われて……。
もし妻に言われただけだったら、倒れるまで病院に行かなかった。
自分の血圧の数値を知っていたから、おかしいと気づくことができたんです」
血圧のことなんて、考えるだけでも憂鬱―。
世間の大勢は、そう思っているはずだ。
だが徹底的に血圧を測り続けたその先には、もしかすると、
いまよりもずっと健康で幸福な暮らしが待っているのかもしれない。
もうひとつ、特筆すべきは経済効果だ。
前出の農家の男性が「血圧を測り始めてからは健康診断に引っかからなくなり、人間ドックにも行かなくなった」
と語るように、個人レベルでの検診費用の節約につながっているほか、町全体でも医療費削減に成功している。
75歳の男性は、記者にこんな経験を明かした。
「私は10年ほど前から研究にデータを提供しているのですが、冗談抜きで命を救われました。
2年ほど前、毎日の血圧がとても不安定になったときがあって、妻にも『顔色が悪い』と言われたので、
花巻の大きな病院を紹介してもらったんです。
精密検査を受けたら、くも膜下出血の寸前だと言われて……。
もし妻に言われただけだったら、倒れるまで病院に行かなかった。
自分の血圧の数値を知っていたから、おかしいと気づくことができたんです」
血圧のことなんて、考えるだけでも憂鬱―。
世間の大勢は、そう思っているはずだ。
だが徹底的に血圧を測り続けたその先には、もしかすると、
いまよりもずっと健康で幸福な暮らしが待っているのかもしれない。
とても勉強になるスレッドです
ありがとう
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