腸内細菌は、脳に大きな影響を与えている可能性がある。
動物を使ったいくつかの研究で、腸内細菌の状況と脳内で起きる現象との間に、
明らかな相関があることが示唆されている。
神経科学と解剖学を専門とするユニヴァーシティ・カレッジ・コーク
(アイルランド国立大学のひとつ)のジョン・F・クライアン教授によれば、
そのような相関を示す研究は、近年ますます説得力を増しているという。
クライアン教授は、UK版『WIRED』が4月に開催した「WIRED Health 2015」で、
次のように説明した。
「ある種の腸内細菌は、精神状態によい影響を及ぼす可能性があります。
ストレスに対して体が適切な反応をとるために、そうした細菌が必要なのです」
最近行われたいくつかの研究では、そのような細菌を動物に投与すると、
不安やストレスへの対応力が向上することがわかったという。
「(細菌を投与された動物は)落ち着きが増し、よりリラックスするようになりました。
脳を調べたところ、広範囲にわたって変化が見られました」
こうした特殊な細菌には名前もある。「サイコ・バイオティクス」というものだ。
「ほかのほとんどの細菌は、脳の機能に対するよい影響はもたないでしょう」
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