これは1997年から2003年までの間、全米40万人以上の成人男女(平均年齢42.4歳、男女比はほぼ同数)
から集められたアンケートを対象にして、自己申告による身体活動に関するデータを集計・解析したものだ。
それによれば、週に平均して150分間以上の激しい運動を行う人は、心臓や血管に慢性疾患を患う可能性や
早期死亡率が低くなるという結論が述べられている。
研究では運動時間の中で激しい身体動作を行う割合が多い人ほど、あらゆる死因による
早期死亡率が低くなる傾向があることを指摘している。
つまり激しい運動をする人は、そうでない人より長生きをする可能性が高いということだ。
さらに研究では、「1週間に150分間の激しい運動」が健康に最大の効果をもたらす程度であると
結論で述べている。
●どこまでが穏やかな運動で、どこからが激しい運動なのか
論文著者らも認めていることだが、この研究の限界の1つがデータを自己申告による回答に
依存していることである。
そのため、「激しい運動」というものの定義が曖昧になってしまっていることは否めない。
一応、研究では「最低10分間以上の大量の発汗、あるいは心拍数の大幅な増加を伴う」ものを
激しい運動(vigorous physical activity)としているが、その分類の妥当性は無論のこと、
回答の信頼性にも疑問は残る。
例えば自分がその分類に属する運動を週に何分ほど行っているか、正確に答えられる人は
どれだけいるだろうか。
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