■なぜ、「まごわやさしい」に「に=肉」が入ってないのか?
その理由は、「日本人が十分な量の肉を食べている」ことが前提とされているからです。
「まごわやさしい」という言葉は、「食の欧米化」や「栄養の偏り」が顕著化してきた頃の危惧から生じた概念です。
つまり、肉ばかり食べて栄養が偏ったりカロリー過多になってしまわないよう、注意喚起するのが目的でした。
一方で、戦後、適度に欧米化した食事のお陰で、日本人の体格と平均寿命が大幅に向上したことも事実であり、
「食の欧米化」自体は、決して悪いことではありません。
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第二次大戦前の日本の食生活は豊かなものではなかった。
ご飯が主体で、副食は野菜、大豆、魚の一汁一菜であったから、動物性たんぱく質と脂肪に乏しい食事であった。
カロリーは1日に2000キロカロリー弱を摂っていたが、栄養素のバランスが悪いので国民の体格は貧弱で、
平均寿命も男性は45歳、女性は47歳ぐらいであった。
そこで、戦後は米食中心の食生活から脱却して、肉料理、油料理、乳製品を多く摂る欧米型の食事に転換して、
栄養状態を改善する指導が行われた。
その結果、1日に6杯食べていた米飯は3杯に半減し、その代わりに肉料理を月に4回、牛乳は週に4本、
油類は月に1リットルを使うようになった。
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