●寝たきり90歳女性「もっともっともっともっと生きたいの・・」
友人A子の御母堂様(90歳)は特養の空き待ちで現在は老人保健施設に入居されている。
昨年までは介助者付きでの車椅子での外出も可能であったが、今年になってからは徐々に衰弱してきて、
本当の寝たきり状態になってしまったそうな。
以前の月に一度の介助者付きでのデパート等への外出の折りには、
「この歳まで生きたんだから、もういつ死んでもいいわ。早く、あの世のおじいさんがお迎えに来てくれないかしら。
もう生きるのに飽きちゃったわ。だから、そのときがきたら無駄な延命なんて絶対にしないで、
静かにあの世に行かせてね。オーホッホ」
等々の軽口を叩いていたのだが、寝たきりになった途端に・・
「まだ死にたくないの・・。もっともっと生きていたいの。今までなんとなく信じていた冥土や極楽なんて場所は
本当はおとぎ話の中の世界なんじゃないかと思うのよ。きっと、極楽も天国も実際には何処にもないのよ。
ワタシ・・焼かれて骨になっておしまいなの? この部屋の窓から見える桜が全部散ったらワタシは死ぬのかしら・・
嫌よ!そんなの絶対に嫌だわ。もっともっと、もっともっと生きたいのよ。お願いだから必ず延命治療をしてね。」
と、A子が会いに行く度に懇願するようになったらしい。
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