●ファクトベース思考へのシフト
サッカーに限らず、筋トレを敬遠する国内のスポーツ関係者の間では、
ウェイトトレーニングは「使えない筋肉がつきやすい」という類の通説があり、
聞いたことがある人も多いと思われる。
しかしこの話が語られている背景を詳しく調べていくと、
事実を伴うような根拠らしい根拠が見当たらない実情が見えてくる。
「スピード、キレが落ちる」「動きが硬くなる」「技術が落ちる」「日本人には合わない」などなど、
ウェイトトレーニングを否定するワードを挙げていくと枚挙にいとまがない。
またそういう批判は昭和の時代から日本スポーツ界に脈々と受け継がれているように思われるが、
それに真っ向から挑みフィジカル向上を徹底させたのが、ラグビー日本代表・エディJAPANであった。
サッカーファンには馴染みがない話かもしれないが、事実、日本ラグビー界においても
「ウェイトトレーニングをやりすぎると使えない筋肉が増え、スピード、キレ、技術などが損なわれる」
という認識が普通にあった。
実際、「そんなに筋トレしていては、JAPANのスピードが失われる」といった声は多くあがった。
エディHCはそのような抵抗勢力を鎮静化させる方策として、選手にGPS装置を装着させて、
日本選手のスピードを数値化させ、各国選手とデータ比較することを試みた。
結果、「そもそも日本選手には他国と比べスピードにおける比較優位性がなかった」ことを実証した。
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