「糖尿病が治る」というのがどういう意味かによって変わりますが、「糖尿病の薬が不要になること」がゴールであれば、
病態によっては「治す」こともできます。
糖尿病の定義は、「インスリン作用の不足により生じる慢性の高血糖を主徴とする代謝症候群」です。
インスリンとは、膵臓から出る「血糖値を下げる唯一のホルモン」で、糖尿病の発症にはこのインスリンが関わっています。
大雑把にいうと、以下の2つが糖尿病の病態です。
①太り過ぎや脂肪肝の影響でインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性の増大)、血糖値が高くなる。
②何らかの影響で膵臓からインスリンが出なくなり、血糖値を下げることができなくなる。
実際には①と②の病態が混在しているケースも多いのですが、①の病態がメインであれば、生活習慣を見直して
標準体重まで減量すると、インスリン抵抗性が改善して薬が不要になることもあります。→【治る】
対して、②の病態では、多くの場合、膵臓のβ細胞が壊れています。
β細胞は一度壊れると元に戻らないので、生涯、インスリン注射が必要になります。→【治らない】
順序としては、①が原因でインスリンの効きが悪くなっることにより、通常よりも大量のインスリンをせっせと
分泌しなければならなくなった膵臓が徐々に疲弊して行き、やがて完全に壊れると②の状態になります。
つまり、①の段階で生活習慣を改善して治さなければ、遅かれ早かれ、②の不治の段階にまで進行してしまいます。
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