●極端な粗食や断食に走ると、栄養不足に陥って様々な障害を引き起こしてしまう。
摂取カロリーを抑えるためにも、野菜中心の「粗食」が体にいいと思っている人は多いだろう。
確かに、野菜はビタミンやミネラル類が豊富なので、一見、健康的なように感じる。
だが、そのような粗食を続けていると、体にはどのようなことが起こるだろうか。
「人間が生きて行くためには、最低でも1日におよそ1800~2000kcalのエネルギーが必要です。エネルギーが食事として外部から供給されなければ、
体は体内にあるもので補おうとします」(PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー 中野ジェームズ修一さん)
食事から供給されるエネルギーが不足した分だけ、体に蓄えられた脂肪が燃焼されればいいのだが、そう都合よくはいかない。
人間の体には、たんぱく質を分解して糖を作り出す「糖新生(とうしんせい)」という仕組みがあり、これは栄養学の世界では「体たんぱく質分解」と呼ばれている。
糖新生において、最初にその標的にされるのが、大量のエネルギーを消費する「筋肉」だ。
大食いの器官の働きを抑えて、その分のエネルギーを生命維持に必要な脳や内臓を働かせるために回すようになる、というわけだ。
「筋肉を動かすためには、カルシウムなどのミネラルも必要です。それが食事から得られないとなると、今度は骨を分解して補うようになってしまいます。
つまり、骨密度が下がるんです。ですから粗食を続けていると、筋肉量や骨量が低下していく恐れがあります」(中野さん)
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