【BMI 24前後が長生き】
脂肪率は誰にとっても分かりやすく広く知られてもいるが、その割に健康との関係を示すエビデンス(科学的根拠)がほとんどない。
体脂肪率が高くとも、必ずしも健康に悪いとはいえないようだ。
一方、米国で行われた調査から興味深いことが分かってきた。
4万人もの人々を対象に10年という歳月をかけた追跡調査で、BMIと腹囲をあらかじめ全員に測ってもらい、10年間の死亡率を比較するというものだ。
その結果、BMIが24前後の人がもっとも死亡率が低く、長生きしていることが分かった。
身長160センチメートルの人でいえば体重は約61.5キロ、身長170センチメートルで体重約69.4キロになる。
日本ではBMI22が理想的とされてきたが、エビデンスに乏しかった。
これよりも少し太っている方がむしろ健康にはいいことになる。
最近、国内でも米調査をまねた調査が実施され、ほぼ同じようなデータが得られた。
米調査で分かったことがもう一つある。
腹囲が将来の死亡率とあまり関係がなかったということだ。
総合するとBMIがもっとも大切な指標といえる。
BMIが22〜26に該当する人は、血圧や血糖値などの検査データに異常がない限り、無理してやせなくてもいい。
ダイエットも「ほどほど」に。(新潟大学教授 岡田正彦)
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