脂肪減らす物質発見 名大名誉教授ら
体の細胞にたまった脂肪を減らす新しい化合物を上村大輔・名古屋大名誉教授らが
発見した。
海辺にすむ細菌の一種から取り出した。太らないためには脂肪を取り過ぎないように
するのが普通だが、常識を破る肥満治療薬ができる可能性もあるという。
高知市で開かれている天然有機化合物の専門学会で16日、発表した。
肥満の原因の一つは「脂肪細胞」と呼ばれる細胞が内部に脂肪をため込んで膨らむこと。内臓や皮下の脂肪はこうして増える。
上村氏らは、沖縄県石垣市の海岸で取った細菌の一種、藍藻(らんそう)から未知の
化合物を発見。培養したマウスの脂肪細胞に投与すると、蓄えられていた脂肪が半分以下に
減った。細胞の働きを活発にして、脂肪を消費させているのではないかという。
また新しい脂肪細胞ができるのを抑える働きもあった。
肥満治療の薬は、神経に働いて食欲を落としたり、胃腸での脂肪吸収を妨げたりする
ものが主だ。上村氏は「細胞にたまった脂肪を減らす化合物は初めて。毒性も小さいと
みられ、新しい薬の候補として有望」と話す。今後はマウスに与えて効果が出る仕組みや
副作用を詳しく調べていくという。
上村氏は2007年、「海洋天然物の生物有機化学的研究」で中日文化賞を受賞。
現在は神奈川大教授を務める。
(2014年10月17日)
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20141017-2.htm...
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