本研究ではそのうち、登録時にCKDステージ5以上(eGFR15mL/分/1.73m2未満)、透析治療中、
解析に必要なデータの欠落者などを除外し、1,160人を解析対象とした。
研究参加時に行った食事調査からタンパク質摂取量を割り出し、全体を四分位で群分けすると、
第1四分位群のタンパク質摂取量は1.01±0.16g/kg/日、
第2四分位群は1.32±0.07g/kg/日、
第3四分位群は1.59±0.08g/kg/日、
第4四分位群は2.07±0.30g/kg/日だった(P<0.01)。
eGFRは平均69.15±14.4mL/分/1.73m2であり、群間に有意差はなかった。
平均2.53年の追跡期間中のeGFRの変化は-1.89±2.98mL/分/1.73m2であり、有意な群間差はなかった。
その一方で、体重はタンパク質摂取量の少ない群の方が大きく低下しており、有意差が認められた(P<0.04)。
より具体的に、フレイル(要介護予備群)の診断基準に含まれている「1年当たり4.5kg以上の体重減少」の
該当者の割合を比較すると、第1四分位群は47.6%と半数近くに及び、第2四分位群も42.9%を占めるのに対して、
第3および第4四分位群は4.8%に過ぎなかった(P<0.01)。
次に、腎機能低下に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、収縮期血圧、HbA1c、non-HDL-C、尿酸、
高血圧・糖尿病・脂質異常症・脳卒中・心不全の既往、腎機能を評価した季節)を調整後、
ベースラインの腎機能で層別化して解析を行った。
その結果、ベースラインで腎機能が保たれていた群(eGFR60mL/分/1.73m2以上)では、
タンパク質摂取量と腎機能変化量との間に有意な関連が認められなかった。
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