うつ病は一時、「心の風邪」などと言われて、誰でもかかるが、休めば良くなる、こころの病と考えられてきました。
ところが、その後の研究ではうつ病はそんな単純なものではないことがわかってきました。
うつ病は、遺伝や幼少期の生活環境、疲労などと関連性が言われてきましたが、いまはヒトヘルペスウイルスとも関係することが
東京慈恵会医科大学の近藤一博先生らの研究で明らかになっています。
ヘルペスは比較的よくみられるウイルスで、人に感染するものは8種類あるといわれています。
単純ヘルペス1型、2型、水痘帯状疱疹、エプスタインバー、サイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型・7型・8型です。
このうちうつ病と関係するとされているのは6型です。
6型は7型と共に突発性発疹と呼ばれる賞に感染症を引き起こします。
ヘルペスウイルスはすべて、宿主細胞の中で不活化(休眠または潜伏)状態で留まるため、感染は生涯続くと考えられていますので、
6型も一度感染すると体内に潜んで、疲れやストレスがあると活性化しその数が増えるのです。
そして、疲労やストレスなどでヒトヘルペスウイルス6型が活性化されると、ウイルスの持つ「STH-1」と呼ばれる遺伝子が働いて
あるたんぱく質を産生します。
そのたんぱく質がうつ病を引き起こすと言うわけです。
実際、STH-1が働いているかどうかは血液検査でわかると言います。
「心の弱い人がかかる病気」といわれた、うつ病がウイルスによるものである可能性があるとは驚きです。
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