小細胞肺がんになりました。
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難しい話だと思いますが、抗がん剤はやめたほうがいいかと。人生で最高だった瞬間を10個思い出してください。
幸せな気分になって、温かいお風呂に一日数回入って、栄養価の高い野菜ジュース、果物ジュースを飲んでください。
三か月で治ると言われております。
幸せな気分になって、温かいお風呂に一日数回入って、栄養価の高い野菜ジュース、果物ジュースを飲んでください。
三か月で治ると言われております。
運命です。寿命に従ってください。
がんばる必要などありませんよ。
がんばる必要などありませんよ。
スレ主さん、こんにちは。
ただいまはどのような状況でしょうか?
ただいまはどのような状況でしょうか?
二人に一人はがん。
大したこたぁない。
死ぬことになっても、
大したことではない。
自分の人生を「荘厳で崇高な何か」と過大評価しちゃだめ。
たかが人生。人一匹の生涯。
どうでもいい。
深く考える必要などないよ。
がんで死にます、あぁそうなの。 そんだけ。
大したこたぁない。
死ぬことになっても、
大したことではない。
自分の人生を「荘厳で崇高な何か」と過大評価しちゃだめ。
たかが人生。人一匹の生涯。
どうでもいい。
深く考える必要などないよ。
がんで死にます、あぁそうなの。 そんだけ。
人生は死ぬまでの暇つぶし
ご無沙汰しております。
スレ主です。
肺の方は落ち着いていますが、脳に4箇所、転移し放射線全脳照射をしました。その甲斐あって脳の腫瘍はほとんど消えて無くなりました。
ですが、次に肝臓に転移してしまって抗がん剤治療がまた始まります。
スレ主です。
肺の方は落ち着いていますが、脳に4箇所、転移し放射線全脳照射をしました。その甲斐あって脳の腫瘍はほとんど消えて無くなりました。
ですが、次に肝臓に転移してしまって抗がん剤治療がまた始まります。
今や癌は珍しい病気ではなくなった
たぶん知らないだけで、近所や職場にもいっぱいいるよ
当たり前だが、国立がんセンターなんて癌患者で溢れてる
ステージ4の癌でも仕事をしている人も割と普通になったきた
大島康徳や古村比呂なんかもそうだよね
今は医学が進歩したからか、死の1週間前くらい前まで日常生活を
送れたりする。大事なのは、癌患者と健常者関係なく「どう生きるか」
ってことだろうな。時間が有限なのは誰しも一緒なのだし
質問だが、主の性生活はどうなってる?まあ独身で相手もいないだろうが
セックスや射精は可能なのか?
たぶん知らないだけで、近所や職場にもいっぱいいるよ
当たり前だが、国立がんセンターなんて癌患者で溢れてる
ステージ4の癌でも仕事をしている人も割と普通になったきた
大島康徳や古村比呂なんかもそうだよね
今は医学が進歩したからか、死の1週間前くらい前まで日常生活を
送れたりする。大事なのは、癌患者と健常者関係なく「どう生きるか」
ってことだろうな。時間が有限なのは誰しも一緒なのだし
質問だが、主の性生活はどうなってる?まあ独身で相手もいないだろうが
セックスや射精は可能なのか?
>>51
>笑いは最強の免疫力と聞いたことがあります。
医学研究の中では、1990年代にはすでに「笑うことで免疫に良い影響があるのではないか」という観点のものが現れています。
しかし、「患者を笑わせて病気を治す」という治療法は生まれていません。
そんなことができるなら医師が真っ先に試します。
笑うとナチュラルキラー細胞が活性化されるなどと唱えた人もいますが、試験管の中で細胞の動きが変わることと、
人間が病気になるかならないかは別です。
そもそもナチュラルキラー細胞は免疫の働きの中心ではありません。
免疫を担当しているのは「白血球」です。
血液の中にある白血球のうち90%以上が「好中球」と「リンパ球」です。
リンパ球の大部分は「T細胞」と「B細胞」に分けられます。
B細胞は異物を感知すると抗体を作るように変化します。
上記の説明に出てこない細胞や物質の名前は、免疫力にとっては取るに足らない些細な存在だと思っていいでしょう。
「ナチュラルキラー細胞」も、取るに足らない影響しかない “その他大勢” のひとつにしか過ぎません。
>笑いは最強の免疫力と聞いたことがあります。
医学研究の中では、1990年代にはすでに「笑うことで免疫に良い影響があるのではないか」という観点のものが現れています。
しかし、「患者を笑わせて病気を治す」という治療法は生まれていません。
そんなことができるなら医師が真っ先に試します。
笑うとナチュラルキラー細胞が活性化されるなどと唱えた人もいますが、試験管の中で細胞の動きが変わることと、
人間が病気になるかならないかは別です。
そもそもナチュラルキラー細胞は免疫の働きの中心ではありません。
免疫を担当しているのは「白血球」です。
血液の中にある白血球のうち90%以上が「好中球」と「リンパ球」です。
リンパ球の大部分は「T細胞」と「B細胞」に分けられます。
B細胞は異物を感知すると抗体を作るように変化します。
上記の説明に出てこない細胞や物質の名前は、免疫力にとっては取るに足らない些細な存在だと思っていいでしょう。
「ナチュラルキラー細胞」も、取るに足らない影響しかない “その他大勢” のひとつにしか過ぎません。
>>58
ネットや書籍には、がん治療に関した大量の情報があふれています。本当に大量です。
そしてその情報の中には、病院で行われている標準治療(科学的証拠に基づく最善の治療)を否定して、
根拠の明確でない治療を勧めるものが多くあります。
「手術は受けるべきではない」「抗がん剤は患者を殺す」などと言って、その代わりに代替療法(効果が証明されていない治療)を勧めます。
癌に効くという食品や、食事方法やら、体温を上げるやら、癌の専門家からみれば呆れるものばかりです。
これはとてつもなく怖いことで、ネットに広がる情報を信じて標準治療を放棄してしまい、代替療法を中心に治療を進めてしまった結果、
急激にがんが進行して死に至るケースが実際に多く見られます。
情報は人の命を簡単に奪います。
標準治療を選択せずに、代替療法を選択してしまった場合に、どのぐらいのデメリットが生じてしまうのか、
実際の患者さんのデータをもとに検証した2つの研究論文を紹介して、その危険性を解説したいと思います。
ネットや書籍には、がん治療に関した大量の情報があふれています。本当に大量です。
そしてその情報の中には、病院で行われている標準治療(科学的証拠に基づく最善の治療)を否定して、
根拠の明確でない治療を勧めるものが多くあります。
「手術は受けるべきではない」「抗がん剤は患者を殺す」などと言って、その代わりに代替療法(効果が証明されていない治療)を勧めます。
癌に効くという食品や、食事方法やら、体温を上げるやら、癌の専門家からみれば呆れるものばかりです。
これはとてつもなく怖いことで、ネットに広がる情報を信じて標準治療を放棄してしまい、代替療法を中心に治療を進めてしまった結果、
急激にがんが進行して死に至るケースが実際に多く見られます。
情報は人の命を簡単に奪います。
標準治療を選択せずに、代替療法を選択してしまった場合に、どのぐらいのデメリットが生じてしまうのか、
実際の患者さんのデータをもとに検証した2つの研究論文を紹介して、その危険性を解説したいと思います。
最初に紹介するのはJNCIという権威ある雑誌に載った論文です。
この論文では、アメリカで標準治療を行わずに代替療法のみを行った患者281例の検討を行っています。
患者は転移を伴わない状態で発見された患者で、乳がん・前立腺がん・肺がん・大腸がんのいずれかと診断された人です。
まず、全患者の治療後の経過を、通常の標準治療を行った患者と比較したのが画像のグラフです。
このグラフの見方ですが、縦軸が生存されている患者さんの割合を示しています。
それに対して横軸は月数です。
最初の0ヶ月の診断時点では100%の患者さんが生存されています。
月が経つにつれて徐々に線が下に落ちているのは、この時点で亡くなられた人がいることを意味しています。
二つの治療を受けた場合の差は歴然としています。
標準治療を受けた場合には6年(72か月)経った時点で、約75%の患者さんが生存されています。
それに対して、代替療法のみを選んだ患者さんは50%の方しか生存していません。
この論文では、アメリカで標準治療を行わずに代替療法のみを行った患者281例の検討を行っています。
患者は転移を伴わない状態で発見された患者で、乳がん・前立腺がん・肺がん・大腸がんのいずれかと診断された人です。
まず、全患者の治療後の経過を、通常の標準治療を行った患者と比較したのが画像のグラフです。
このグラフの見方ですが、縦軸が生存されている患者さんの割合を示しています。
それに対して横軸は月数です。
最初の0ヶ月の診断時点では100%の患者さんが生存されています。
月が経つにつれて徐々に線が下に落ちているのは、この時点で亡くなられた人がいることを意味しています。
二つの治療を受けた場合の差は歴然としています。
標準治療を受けた場合には6年(72か月)経った時点で、約75%の患者さんが生存されています。
それに対して、代替療法のみを選んだ患者さんは50%の方しか生存していません。
もう一つの論文を紹介します。
これは、つい最近『JAMA Oncology』という有名誌に掲載された論文です。
この論文では、アメリカで、1032例の「標準治療のみを受けた患者」と、
258例の「標準治療を受けたが、代替療法も受けた患者」との、
治療成績を比較しています。
この2群の患者が持つバックグラウンド(年齢・がん種類・進行度・人種・保険種類・診断時期など)は一致させていて、
治療に影響を及ぼす背景に違いはないようにしてあります。
この論文では「完全に代替療法のみ」を選択したのではなく、「標準治療+代替療法」を選択した人の成績がどうかを検討しています。
その結果は、上の図のように、標準治療のみに比べて、代替療法を取り入れた治療を行った人の方が治療成績が悪いことが示されています。
死亡リスクは2倍になっていることが指摘されています。
代替療法は効果があまり期待できないのは当然としても、なぜ両方の治療を行った人の方が悪い結果になったのでしょうか?
この理由は、受けた標準治療の内容を見るとわかります。
代替療法も選択した人には、標準治療の一部を拒否する人が多く、ちゃんと標準治療を受けなかったことがこの論文では示されています。
代替療法も選択した人の7%が「手術」を拒否、34.1%が「抗がん剤治療」を拒否、53%が「放射線治療」を拒否しており、
つまり「標準治療をしっかりと受けなかった」ことが悪い結果につながったと、この論文は結論付けています。
これは、つい最近『JAMA Oncology』という有名誌に掲載された論文です。
この論文では、アメリカで、1032例の「標準治療のみを受けた患者」と、
258例の「標準治療を受けたが、代替療法も受けた患者」との、
治療成績を比較しています。
この2群の患者が持つバックグラウンド(年齢・がん種類・進行度・人種・保険種類・診断時期など)は一致させていて、
治療に影響を及ぼす背景に違いはないようにしてあります。
この論文では「完全に代替療法のみ」を選択したのではなく、「標準治療+代替療法」を選択した人の成績がどうかを検討しています。
その結果は、上の図のように、標準治療のみに比べて、代替療法を取り入れた治療を行った人の方が治療成績が悪いことが示されています。
死亡リスクは2倍になっていることが指摘されています。
代替療法は効果があまり期待できないのは当然としても、なぜ両方の治療を行った人の方が悪い結果になったのでしょうか?
この理由は、受けた標準治療の内容を見るとわかります。
代替療法も選択した人には、標準治療の一部を拒否する人が多く、ちゃんと標準治療を受けなかったことがこの論文では示されています。
代替療法も選択した人の7%が「手術」を拒否、34.1%が「抗がん剤治療」を拒否、53%が「放射線治療」を拒否しており、
つまり「標準治療をしっかりと受けなかった」ことが悪い結果につながったと、この論文は結論付けています。
これは実際に日本でもたくさん見られている事象です。
代替療法を勧める人々には標準治療を否定する人が多くいます。
「抗がん剤は毒だ」「手術は免疫力を弱めて、癌が進行する」など、明確な根拠のない話が山ほど付いてきます。
それらの情報に曝露したことで、化学療法や放射線治療に対して否定的な見解を持ち、その結果として抗がん剤治療を行わなかったり、
手術を適切に受けなかったりして、治療が不十分になってしまい、癌が進行してしまうというのは実際に日本でもよく見られることです。
間違った情報を信じてしまい、標準治療を適切に行わないと、患者は取り返しのつかない不利益を被るということが、この論文でもわかります。
標準治療というのは、人類の英知の結晶です。
何十年という年月をかけて、何千~何万という患者での検討を経て、現時点で「最も効く」と分かった治療方法です。
そいて、その治療は年々着実に進歩しています。
しかも、日本では保険適応されているため、自費の負担も少ないです。
標準治療をまずは検討してください。
全世界で勧められているがん治療は、この標準治療です。
WHOでも、アメリカのNCIでも、この科学的根拠による標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療など)を第一に行うことを勧めています。
代替療法を勧める人々には標準治療を否定する人が多くいます。
「抗がん剤は毒だ」「手術は免疫力を弱めて、癌が進行する」など、明確な根拠のない話が山ほど付いてきます。
それらの情報に曝露したことで、化学療法や放射線治療に対して否定的な見解を持ち、その結果として抗がん剤治療を行わなかったり、
手術を適切に受けなかったりして、治療が不十分になってしまい、癌が進行してしまうというのは実際に日本でもよく見られることです。
間違った情報を信じてしまい、標準治療を適切に行わないと、患者は取り返しのつかない不利益を被るということが、この論文でもわかります。
標準治療というのは、人類の英知の結晶です。
何十年という年月をかけて、何千~何万という患者での検討を経て、現時点で「最も効く」と分かった治療方法です。
そいて、その治療は年々着実に進歩しています。
しかも、日本では保険適応されているため、自費の負担も少ないです。
標準治療をまずは検討してください。
全世界で勧められているがん治療は、この標準治療です。
WHOでも、アメリカのNCIでも、この科学的根拠による標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療など)を第一に行うことを勧めています。
しかし、がんは難しい病気です。
標準治療を行ったとしても、全員が助かるわけではありません。
標準治療を行っても亡くなる人は残念ながらたくさんいます。
そのため、「誰々が亡くなったから良い治療ではない」などと乱暴な話をする人も多いのですが、「全員が助かる」「全員が助からない」のような
白黒のはっきりした単純な話ではなく、がん治療は確率的な話で考えなければなりません。
それを示しているのが今回ご紹介した論文やグラフなのです。
とても難しい話になることが多いので、一般の方には理解しにくいことも多いと思います。それはしょうがないことです。
ただ、ネットの情報を見た際に気をつけてもらいたいのは、「標準治療を受けることを否定するようなもの」には大いに警戒してください。
安易にそれらの情報をシェアして、拡散したりしないようにしてください。
そのクリック一つで行われる拡散の積み重ねが、多くのがん患者さんを実際に苦しめて、命を奪っているのです。
標準治療を行ったとしても、全員が助かるわけではありません。
標準治療を行っても亡くなる人は残念ながらたくさんいます。
そのため、「誰々が亡くなったから良い治療ではない」などと乱暴な話をする人も多いのですが、「全員が助かる」「全員が助からない」のような
白黒のはっきりした単純な話ではなく、がん治療は確率的な話で考えなければなりません。
それを示しているのが今回ご紹介した論文やグラフなのです。
とても難しい話になることが多いので、一般の方には理解しにくいことも多いと思います。それはしょうがないことです。
ただ、ネットの情報を見た際に気をつけてもらいたいのは、「標準治療を受けることを否定するようなもの」には大いに警戒してください。
安易にそれらの情報をシェアして、拡散したりしないようにしてください。
そのクリック一つで行われる拡散の積み重ねが、多くのがん患者さんを実際に苦しめて、命を奪っているのです。
●「アメリカで抗がん剤は使われていない」という嘘について
「アメリカでは抗がん剤はもう使われていない、FDA(アメリカ食品医薬品局: 薬の承認をするところ)は抗がん剤を禁止している」という嘘も、
ネットでよく見られます。
一般の人の多くが、英語で専門的な情報を調べられないという隙をついたもので、また日本人はアメリカでやることを信じる傾向があるので、
「アメリカ」を出すことで信じさせようとする嘘です。
これは全くの嘘です。
アメリカで抗がん剤治療は禁止されているどころか、今でもたくさん行われており、多くの患者さんが抗がん剤治療を行い、がんと闘っています。
医療者側としてはバカバカし過ぎる嘘なのですが、一般の方が簡単には見抜けませんので、この機会に明確に否定しておこうと思います。
「アメリカでは抗がん剤はもう使われていない、FDA(アメリカ食品医薬品局: 薬の承認をするところ)は抗がん剤を禁止している」という嘘も、
ネットでよく見られます。
一般の人の多くが、英語で専門的な情報を調べられないという隙をついたもので、また日本人はアメリカでやることを信じる傾向があるので、
「アメリカ」を出すことで信じさせようとする嘘です。
これは全くの嘘です。
アメリカで抗がん剤治療は禁止されているどころか、今でもたくさん行われており、多くの患者さんが抗がん剤治療を行い、がんと闘っています。
医療者側としてはバカバカし過ぎる嘘なのですが、一般の方が簡単には見抜けませんので、この機会に明確に否定しておこうと思います。
●FDAは抗がん剤を禁止していません
FDAは抗がん剤を禁止するどころか、がん治療に使ってもらうためにたくさんの抗がん剤を承認し続けています。
現時点で60を超える抗がん剤を承認しており、それらの多くは病院で実際に広く使われています。
FDAが承認している抗がん剤のリストをレビュー論文から引用してお示しします。(画像参照)
こんなにたくさんの薬剤が承認されています。
このリストには薬剤の名前、承認された年数、適応となるがんの情報が詳しく示されています。
見ていただけるとわかるように、古くは1949年から、新しいものだと2013年までたくさんの抗がん剤を承認し続けています。
禁止どころか承認することで使用を推奨しています。
もし、一次情報(FDAの本体のサイト)でも確認したいという方は、このリンク先のFDAのサイトで、
さきほどのリストにある抗がん剤の名前を入力してもらえば、承認されている事実が確認できます。
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/daf/index.cf...
FDAは抗がん剤を禁止するどころか、がん治療に使ってもらうためにたくさんの抗がん剤を承認し続けています。
現時点で60を超える抗がん剤を承認しており、それらの多くは病院で実際に広く使われています。
FDAが承認している抗がん剤のリストをレビュー論文から引用してお示しします。(画像参照)
こんなにたくさんの薬剤が承認されています。
このリストには薬剤の名前、承認された年数、適応となるがんの情報が詳しく示されています。
見ていただけるとわかるように、古くは1949年から、新しいものだと2013年までたくさんの抗がん剤を承認し続けています。
禁止どころか承認することで使用を推奨しています。
もし、一次情報(FDAの本体のサイト)でも確認したいという方は、このリンク先のFDAのサイトで、
さきほどのリストにある抗がん剤の名前を入力してもらえば、承認されている事実が確認できます。
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/daf/index.cf...
●患者は抗がん剤を使用してがんと闘っている
アメリカではたくさんの患者が実際に抗がん剤を使用してがんと闘っています。
それは子供から高齢者まで全ての年代の人です。
私が所属しているがんセンターでも、たくさんのがん患者が抗がん剤治療を受けに通っています。
ご存知のように、抗がん剤は頭髪が抜けてしまう副作用があります。
髪の毛が抜けてしまった姿というのは、がん患者や家族には辛い姿ではあります。
しかし、同時にその姿はがんと戦う勇気を与える姿として、アメリカではよく新聞や映画などで紹介されたりします。
今回は、アメリカの患者が実際に抗がん剤治療を受けて闘っている証拠として、その姿のいくつかをご紹介したいと思います。
https://www.pinterest.jp/pbsnewshour/childhood-cancer-a...
リンク先を見ていただくと、それぞれの治療のストーリーも紹介されています。
こんなにもたくさんの小さな子供達も、抗がん剤の副作用と戦いながら、がんと必死で闘っています。
こんな馬鹿げた嘘は、命をかけて戦っているこれらの患者さんに大変に失礼です。
アメリカではたくさんの患者が実際に抗がん剤を使用してがんと闘っています。
それは子供から高齢者まで全ての年代の人です。
私が所属しているがんセンターでも、たくさんのがん患者が抗がん剤治療を受けに通っています。
ご存知のように、抗がん剤は頭髪が抜けてしまう副作用があります。
髪の毛が抜けてしまった姿というのは、がん患者や家族には辛い姿ではあります。
しかし、同時にその姿はがんと戦う勇気を与える姿として、アメリカではよく新聞や映画などで紹介されたりします。
今回は、アメリカの患者が実際に抗がん剤治療を受けて闘っている証拠として、その姿のいくつかをご紹介したいと思います。
https://www.pinterest.jp/pbsnewshour/childhood-cancer-a...
リンク先を見ていただくと、それぞれの治療のストーリーも紹介されています。
こんなにもたくさんの小さな子供達も、抗がん剤の副作用と戦いながら、がんと必死で闘っています。
こんな馬鹿げた嘘は、命をかけて戦っているこれらの患者さんに大変に失礼です。
●嘘をいう人達には注意をしてください
ツイッターでもブログでも、本当にたくさんの抗がん剤に関する嘘を見ます。
「アメリカでは抗がん剤が使われていないのに、お金儲けのために日本でだけで使われている」
「使われなくなったアメリカの抗がん剤の在庫を押し付けられて消費するために日本で使っている」など。
これらの内容を無責任に書いている人には要注意です。
その人が語る治療の話も真実に沿っていないことは明白です。
本当に「嘘を伝える人たち」にはお気をつけください。
●抗がん剤は必要な治療
もちろん、抗がん剤には辛い副作用もあります。
理想的な治療ではないのは確かです。
しかし、がんという難しい病気を治すためには、まだまだ使わないといけない方法なのです。
ツイッターでもブログでも、本当にたくさんの抗がん剤に関する嘘を見ます。
「アメリカでは抗がん剤が使われていないのに、お金儲けのために日本でだけで使われている」
「使われなくなったアメリカの抗がん剤の在庫を押し付けられて消費するために日本で使っている」など。
これらの内容を無責任に書いている人には要注意です。
その人が語る治療の話も真実に沿っていないことは明白です。
本当に「嘘を伝える人たち」にはお気をつけください。
●抗がん剤は必要な治療
もちろん、抗がん剤には辛い副作用もあります。
理想的な治療ではないのは確かです。
しかし、がんという難しい病気を治すためには、まだまだ使わないといけない方法なのです。
●根拠のない「がん情報」をネットでシェアする方にお伝えしたいこと
インターネット上には、ある特定の食品・光・音などが「がん」治療に効果があるという書き込みが山ほど見つかります。
商売目的の悪質なページもありますが、それとは別に一般の人が気楽にそれらをtwitterやfacebookでシェアして、広がっているのも見かけます。
おそらくは、それほどの悪気はなく、がん患者のためや、一般の人のがん予防のためになるのではと、投稿やシェアをしているのかもしれません。
健康情報を発信している延長として行っているかもしれません。
はっきりと言いたいのは、デマ情報は何の役にも立ちません。
むしろ、患者やその家族を傷つけるだけですので、本当に止めてもらいたいです。
●その情報は本当に根拠がありますか?
「これはがんに効く」と書かれている方は、良く考えてみてください。
それは100%根拠がありますか?
何百人という患者で試して、絶対の効果を試したものですか?
あなたはその食品だけを食べて、がんが治った人を本当に見ましたか?
広げている方は軽い気持ちで行っているのかもしれないです。
しかし、その気安く書いた情報に、患者も家族も大いに惑わされて、時には大きな混乱を受けることになります。
インターネット上には、ある特定の食品・光・音などが「がん」治療に効果があるという書き込みが山ほど見つかります。
商売目的の悪質なページもありますが、それとは別に一般の人が気楽にそれらをtwitterやfacebookでシェアして、広がっているのも見かけます。
おそらくは、それほどの悪気はなく、がん患者のためや、一般の人のがん予防のためになるのではと、投稿やシェアをしているのかもしれません。
健康情報を発信している延長として行っているかもしれません。
はっきりと言いたいのは、デマ情報は何の役にも立ちません。
むしろ、患者やその家族を傷つけるだけですので、本当に止めてもらいたいです。
●その情報は本当に根拠がありますか?
「これはがんに効く」と書かれている方は、良く考えてみてください。
それは100%根拠がありますか?
何百人という患者で試して、絶対の効果を試したものですか?
あなたはその食品だけを食べて、がんが治った人を本当に見ましたか?
広げている方は軽い気持ちで行っているのかもしれないです。
しかし、その気安く書いた情報に、患者も家族も大いに惑わされて、時には大きな混乱を受けることになります。
●ネットで広がるがん治療情報は嘘ばかり
ネットには本当に嘘ばかりが広がっています。
がんを治療できる周波数の音が聞ける動画とかが大きく広まっているのを見て、怒りを通り越して、悔しくて泣けてきました。
真面目にやっている我々をバカにしています。
明確に書いておきますが、がん治療に明確な効果が証明されている食品はほとんど存在していません。
また、一般生活に存在する光や音などで、治療効果があるものもありません。
いろいろなデータを出して、それっぽく見せていますが、予防に効果があっても治療効果は証明されていなかったり、
細胞実験レベルのデータだったり、数十名に適当に試しただけでしっかりとした証明がされていなかったり、
特定の医師が効くと主張しているだけだったりします。
●がん治療効果があると言える証拠とは何か?
皆さんはどのようなデータがあればがんに効くと言えると思いますか?
その証明には、数百人規模の患者を集めて、治療群と偽薬(見た目が一緒だが有効成分のない薬)群に分けて、
しかも治療を実施している医師にも、受けている患者にも、どちらが投与されているかわからないようにして(二重盲検と言います)、
診断・治療・副作用などが正しく客観的に評価されているかを見る第3者委員会も設けて、そこで明確に生存期間が延長するかを
証明しなくてはいけません。
これほどの高いレベルの証明が必要です。
あなたがシェアしようとしている情報にはその証明がありますか?
ネットには本当に嘘ばかりが広がっています。
がんを治療できる周波数の音が聞ける動画とかが大きく広まっているのを見て、怒りを通り越して、悔しくて泣けてきました。
真面目にやっている我々をバカにしています。
明確に書いておきますが、がん治療に明確な効果が証明されている食品はほとんど存在していません。
また、一般生活に存在する光や音などで、治療効果があるものもありません。
いろいろなデータを出して、それっぽく見せていますが、予防に効果があっても治療効果は証明されていなかったり、
細胞実験レベルのデータだったり、数十名に適当に試しただけでしっかりとした証明がされていなかったり、
特定の医師が効くと主張しているだけだったりします。
●がん治療効果があると言える証拠とは何か?
皆さんはどのようなデータがあればがんに効くと言えると思いますか?
その証明には、数百人規模の患者を集めて、治療群と偽薬(見た目が一緒だが有効成分のない薬)群に分けて、
しかも治療を実施している医師にも、受けている患者にも、どちらが投与されているかわからないようにして(二重盲検と言います)、
診断・治療・副作用などが正しく客観的に評価されているかを見る第3者委員会も設けて、そこで明確に生存期間が延長するかを
証明しなくてはいけません。
これほどの高いレベルの証明が必要です。
あなたがシェアしようとしている情報にはその証明がありますか?
●なぜ、嘘の情報は患者や家族を傷つけるのか?
情報をシェアされている方の多くは、それほど悪気はなく、がん患者を傷つけているとも感じていません。
人によっては、「真実かどうかは見極めるのは自分の責任だからいいだろう」とも言います。
それはあまりに患者の置かれている心境を理解していません。
がん患者もその家族も置かれている立場や心境が全然違うのです。
例えば、何かの食品ががんに効くという書き込みがあったとします。
がん患者や家族はそれらの情報を見たときに、その食品を一生懸命とらなければという衝動にかられて、効きもしない食べ物に、
時間と労力とお金を割かれてしまいます。
がん患者は、治療で食欲が落ちたりして大変なのに、さらに好きな食べ物を食べれずに、大変なストレスを感じたりします。
●がん患者は嘘とわかっていても試さざるを得なくなる
患者さんによっては、どうせほとんど効かないのではと、薄々分かっていても、試さないわけにはいかなくなってしまいます。
だって、みんな生きたいのですから、やれるだけのことをやろうと思うわけです。
だから、一般の人にはどうでも良いような怪しい書き込みでも、がん患者は完全には無視できなくなって、苦しめられることになるのです。
情報をシェアされている方の多くは、それほど悪気はなく、がん患者を傷つけているとも感じていません。
人によっては、「真実かどうかは見極めるのは自分の責任だからいいだろう」とも言います。
それはあまりに患者の置かれている心境を理解していません。
がん患者もその家族も置かれている立場や心境が全然違うのです。
例えば、何かの食品ががんに効くという書き込みがあったとします。
がん患者や家族はそれらの情報を見たときに、その食品を一生懸命とらなければという衝動にかられて、効きもしない食べ物に、
時間と労力とお金を割かれてしまいます。
がん患者は、治療で食欲が落ちたりして大変なのに、さらに好きな食べ物を食べれずに、大変なストレスを感じたりします。
●がん患者は嘘とわかっていても試さざるを得なくなる
患者さんによっては、どうせほとんど効かないのではと、薄々分かっていても、試さないわけにはいかなくなってしまいます。
だって、みんな生きたいのですから、やれるだけのことをやろうと思うわけです。
だから、一般の人にはどうでも良いような怪しい書き込みでも、がん患者は完全には無視できなくなって、苦しめられることになるのです。
●精神的にもダメージを受ける
がん患者さんは自分が病気になったこと自体にもショックを受けています。
ほとんどのがんは患者に何か原因があって、がんになるわけではありません。本当に偶然です。
しかし、すでにがんが進行している人は、病気になってから今までの間に、書かれていた食品を食べてこなかったために、
がんになったのではないかと思い、そのことを後悔します。
また逆に、「これを食べたからがんになった」という嘘のせいで、自分を責めたりもします。
普段なら惑わされないような嘘の情報にも、追い込まれているので、精神的なダメージを受けることになります。
●がん治療に関する情報はとても重大なものです
いろいろな考え方を持つことは良いことです。
西洋医学が全てではないし、いろいろな考え方や価値観があっても全く問題はないです。
いろいろなものを健康に良いと思い、使うことを否定するつもりは全くありません。
ただ、「がんに本当に効くのかどうか」だけは不確かではダメです。
がん患者のおかれている気持ちや苦しみを、良く考えてあげてください。
がん患者さんは自分が病気になったこと自体にもショックを受けています。
ほとんどのがんは患者に何か原因があって、がんになるわけではありません。本当に偶然です。
しかし、すでにがんが進行している人は、病気になってから今までの間に、書かれていた食品を食べてこなかったために、
がんになったのではないかと思い、そのことを後悔します。
また逆に、「これを食べたからがんになった」という嘘のせいで、自分を責めたりもします。
普段なら惑わされないような嘘の情報にも、追い込まれているので、精神的なダメージを受けることになります。
●がん治療に関する情報はとても重大なものです
いろいろな考え方を持つことは良いことです。
西洋医学が全てではないし、いろいろな考え方や価値観があっても全く問題はないです。
いろいろなものを健康に良いと思い、使うことを否定するつもりは全くありません。
ただ、「がんに本当に効くのかどうか」だけは不確かではダメです。
がん患者のおかれている気持ちや苦しみを、良く考えてあげてください。
●真剣勝負の邪魔をしないであげてください
がん患者は生命をかけた戦いをしています。その戦いは楽なものではありません。
急に病気になり、常に時間との戦いになります。間違いの許されない戦いです。
判断を間違えれば人生を失ってしまいます。子供がいる人はその子の成長を見ることができなくなります。
だからこそ、医師も研究者も必死になって、絶対に間違いがないように、常に世界の中で最も効く可能性が高い治療が何なのかを調べ、
患者がそれを受けられるように勉強をし、技術をつけて、全身全霊で患者に向き合います。
もし、間違った情報を信じて、全く効果がなければ、その人は生命を失い、大変な後悔の中で亡くなっていくことになります。
残された家族も大変な苦しみの中で、その後の人生を送らないといけなくなります。
あなたの情報はそんな真剣な人達に向けられる本気で調べた情報なのでしょうか?
●最後にお伝えしたいこと
私も多くの患者に出会ってきましたし、悔しい戦いもたくさんしてきました。
難しい病気だからこそ、絶対に間違いは許されないからこそ、患者も医療者も悩み苦しみます。
常に真剣勝負です。生命をかけた戦いです。
どうか、患者の思いを良く考えてあげて、それらの真剣勝負の邪魔をしないであげてください。
安易な気持ちでちょっと書いた情報でも、その情報に傷つけられているがん患者がいることを考えてあげてください。
がんに関する情報発信には慎重に臨んでもらいたいです。
がん患者は生命をかけた戦いをしています。その戦いは楽なものではありません。
急に病気になり、常に時間との戦いになります。間違いの許されない戦いです。
判断を間違えれば人生を失ってしまいます。子供がいる人はその子の成長を見ることができなくなります。
だからこそ、医師も研究者も必死になって、絶対に間違いがないように、常に世界の中で最も効く可能性が高い治療が何なのかを調べ、
患者がそれを受けられるように勉強をし、技術をつけて、全身全霊で患者に向き合います。
もし、間違った情報を信じて、全く効果がなければ、その人は生命を失い、大変な後悔の中で亡くなっていくことになります。
残された家族も大変な苦しみの中で、その後の人生を送らないといけなくなります。
あなたの情報はそんな真剣な人達に向けられる本気で調べた情報なのでしょうか?
●最後にお伝えしたいこと
私も多くの患者に出会ってきましたし、悔しい戦いもたくさんしてきました。
難しい病気だからこそ、絶対に間違いは許されないからこそ、患者も医療者も悩み苦しみます。
常に真剣勝負です。生命をかけた戦いです。
どうか、患者の思いを良く考えてあげて、それらの真剣勝負の邪魔をしないであげてください。
安易な気持ちでちょっと書いた情報でも、その情報に傷つけられているがん患者がいることを考えてあげてください。
がんに関する情報発信には慎重に臨んでもらいたいです。
長文のソースは?
●禁煙でがんを治療できる?
例えば、たばこはがん発症に強い影響があります。
禁煙はがん予防に絶大な効果があります。
しかし、がんになったあとにたばこをやめても、がんは消えません。
もちろん新しい他の病気を予防することはできるので禁煙は大事です。
しかし、直接的ながん治療にはなりません。
予防と治療というものは、似ているようで全く違うものです。
●発がんとは青少年がヤクザになる過程
がんは、もともとは正常な細胞に、遺伝子異常が起こり、何年もかけて変化していき、
さらに異常が加わることで、最終的ながんになるという経過をたどります。
例えると、純粋な青少年が徐々にグレていって、やがて不良になり、
さらに何年もかけて、最終的にヤクザになるという過程です。
●予防に必要な対処とは?
この青少年が徐々に不良になってしまい、やがてやくざになってしまう過程を防ぐのが「がん予防」です。
そのため、必要な手段は家庭環境を整えたり、教育したり、相談にのったりすることになります。
それが禁煙だったり、ピロリ菌の除菌だったり、肥満の予防だったりします。
遺伝子変異が入ってしまう要因を、長期間にわたって減らすという作業です。
これらは短期的な作業というよりは、長期的な健康維持に近いものです。
例えば、たばこはがん発症に強い影響があります。
禁煙はがん予防に絶大な効果があります。
しかし、がんになったあとにたばこをやめても、がんは消えません。
もちろん新しい他の病気を予防することはできるので禁煙は大事です。
しかし、直接的ながん治療にはなりません。
予防と治療というものは、似ているようで全く違うものです。
●発がんとは青少年がヤクザになる過程
がんは、もともとは正常な細胞に、遺伝子異常が起こり、何年もかけて変化していき、
さらに異常が加わることで、最終的ながんになるという経過をたどります。
例えると、純粋な青少年が徐々にグレていって、やがて不良になり、
さらに何年もかけて、最終的にヤクザになるという過程です。
●予防に必要な対処とは?
この青少年が徐々に不良になってしまい、やがてやくざになってしまう過程を防ぐのが「がん予防」です。
そのため、必要な手段は家庭環境を整えたり、教育したり、相談にのったりすることになります。
それが禁煙だったり、ピロリ菌の除菌だったり、肥満の予防だったりします。
遺伝子変異が入ってしまう要因を、長期間にわたって減らすという作業です。
これらは短期的な作業というよりは、長期的な健康維持に近いものです。
●治療には強力な手段が必要
それに対して、他人に悪行の限りをつくしているヤクザに対しての対処が「がん治療」です。
警察が悪いことをしているヤクザを逮捕して、組を潰そうとする作業にあたります。
この方法は、さきほどの青少年を不良にしないという方法とは全然違うことは想像できると思います。
のんびりと相談にのって、何年もかけて更生しようというのでは、
あっという間に街をヤクザに占拠されてしまいます。
がん細胞はものすごい速さで増殖するわけですから、
短期的に殺すための強力な治療が必要になります。
それが抗がん剤や、放射線治療、手術だったりするわけです。
●健康に良い食品ではがんを治せません
ここが今回の本題です。
ここまで説明した通り、がん予防のための食品や食事などではがんは治療できません。
糖質制限・キノコ・ビタミン剤などは、健康には良いかもしれません。
肥満を防ぐことや、バランスよく食べることで一定のがん予防にはなるかもしれません。
しかし、これらだけでがん細胞を殺すことはできません。
がん細胞は正常細胞よりも強力で死ににくい細胞です。
こんな「健康に良いレベル」では全くお話になりません。
そもそもそれらの健康に良いというレベルの食品は長期的にみて効果を求めるものであって、
短期的に細胞を殺すような作用はありません。
それに対して、他人に悪行の限りをつくしているヤクザに対しての対処が「がん治療」です。
警察が悪いことをしているヤクザを逮捕して、組を潰そうとする作業にあたります。
この方法は、さきほどの青少年を不良にしないという方法とは全然違うことは想像できると思います。
のんびりと相談にのって、何年もかけて更生しようというのでは、
あっという間に街をヤクザに占拠されてしまいます。
がん細胞はものすごい速さで増殖するわけですから、
短期的に殺すための強力な治療が必要になります。
それが抗がん剤や、放射線治療、手術だったりするわけです。
●健康に良い食品ではがんを治せません
ここが今回の本題です。
ここまで説明した通り、がん予防のための食品や食事などではがんは治療できません。
糖質制限・キノコ・ビタミン剤などは、健康には良いかもしれません。
肥満を防ぐことや、バランスよく食べることで一定のがん予防にはなるかもしれません。
しかし、これらだけでがん細胞を殺すことはできません。
がん細胞は正常細胞よりも強力で死ににくい細胞です。
こんな「健康に良いレベル」では全くお話になりません。
そもそもそれらの健康に良いというレベルの食品は長期的にみて効果を求めるものであって、
短期的に細胞を殺すような作用はありません。
●がん予防に良いものは、治療にも効くという嘘
がん予防に良いという食品というのは、曖昧なものが多く含まれてしまいます。
例えば、肥満は発がんの原因となるものですので、それを防げば効果があるとなってしまえば、
かなりたくさんの食品が含まれてしまいます。
予防に良いというのは曖昧なものが含まれてしまう土壌があります。
正確にいうとちゃんとがん予防できると言うには、相当正確な臨床研究が必要なのですが、
多くが曖昧な研究で主張しています。
悪い人たちは、食品に治療効果があることは証明できないので、それでも売るために、
「予防に良い」という曖昧なデータを出して、「だから治療にも有効です」と説明していたりします。
いつの間にか話がすり替わっているのですが、一般の人には気づかれません。
「がん予防に良いから治療にも良い」というロジックは、怪しい食品を売るのによく使われるトリックです。
●よくある誤解:笑うと免疫力が高まる
いつも笑顔で過ごしたいと誰もが思います。
笑いがある生活はきっと幸せでしょう。
しかし、免疫力にはあまり関係ありません。
家族や友達にお笑いが好きな人がもしいれば、その人が一度も風邪を引いたことがないかどうか、
思い出してみてください。
免疫力のためではなく、幸せのために笑ってください。
がん予防に良いという食品というのは、曖昧なものが多く含まれてしまいます。
例えば、肥満は発がんの原因となるものですので、それを防げば効果があるとなってしまえば、
かなりたくさんの食品が含まれてしまいます。
予防に良いというのは曖昧なものが含まれてしまう土壌があります。
正確にいうとちゃんとがん予防できると言うには、相当正確な臨床研究が必要なのですが、
多くが曖昧な研究で主張しています。
悪い人たちは、食品に治療効果があることは証明できないので、それでも売るために、
「予防に良い」という曖昧なデータを出して、「だから治療にも有効です」と説明していたりします。
いつの間にか話がすり替わっているのですが、一般の人には気づかれません。
「がん予防に良いから治療にも良い」というロジックは、怪しい食品を売るのによく使われるトリックです。
●よくある誤解:笑うと免疫力が高まる
いつも笑顔で過ごしたいと誰もが思います。
笑いがある生活はきっと幸せでしょう。
しかし、免疫力にはあまり関係ありません。
家族や友達にお笑いが好きな人がもしいれば、その人が一度も風邪を引いたことがないかどうか、
思い出してみてください。
免疫力のためではなく、幸せのために笑ってください。
●ストレスをなくすと免疫力が高まる?
「免疫力を高めるためにストレスを避ける」という考えも誤解を含んでいます。
重いストレスを受けて、食事ものどを通らず、夜も眠れない…そんな状態が続けば、
風邪を引きやすくもなるでしょう。
日々の生活にはいろいろなストレスがあります。
家庭、仕事、人間関係、妊娠・出産・育児、自分や家族の健康…
日常生活でよく出会うストレスは、健康にも悪影響があります。
うつ病、自律神経失調症、十二指腸潰瘍などの病気は、ストレスが原因で起こることがあります。
しかし、ストレスと関係が深いこれらの病気には、免疫はあまり関係ありません。
ストレスがどの程度免疫に影響するかははっきりしていません。
脳には免疫に直接影響する機能はありません。
感情の変化は免疫に直接影響しません。
趣味がない・外出しない・スマホやパソコンばかり見てしまうなど、
ストレスの多い生活は健康的とは言えませんが、直接免疫に大きく関わるとは言えません。
免疫力を高めるためではなく、うつ病にならないためにストレスを避けてください。
「免疫力を高めるためにストレスを避ける」という考えも誤解を含んでいます。
重いストレスを受けて、食事ものどを通らず、夜も眠れない…そんな状態が続けば、
風邪を引きやすくもなるでしょう。
日々の生活にはいろいろなストレスがあります。
家庭、仕事、人間関係、妊娠・出産・育児、自分や家族の健康…
日常生活でよく出会うストレスは、健康にも悪影響があります。
うつ病、自律神経失調症、十二指腸潰瘍などの病気は、ストレスが原因で起こることがあります。
しかし、ストレスと関係が深いこれらの病気には、免疫はあまり関係ありません。
ストレスがどの程度免疫に影響するかははっきりしていません。
脳には免疫に直接影響する機能はありません。
感情の変化は免疫に直接影響しません。
趣味がない・外出しない・スマホやパソコンばかり見てしまうなど、
ストレスの多い生活は健康的とは言えませんが、直接免疫に大きく関わるとは言えません。
免疫力を高めるためではなく、うつ病にならないためにストレスを避けてください。
●笑うと免疫力が高まるのは医学的に証明されているのでは?
医学研究の中では、1990年代にはすでに「笑うことで免疫に良い影響があるのではないか」
という観点のものが現れています。
しかし、「患者を笑わせて病気を治す」という治療法は生まれていません。
そんなことができるなら医師が真っ先に試します。
笑うと「ナチュラルキラー細胞」が活性化されるなどと唱えた人もいますが、
試験管の中で細胞の動きが変わることと、人間が病気になるかならないかは別です。
そもそも「ナチュラルキラー細胞」は免疫の働きの中心ではありません。
免疫を担当しているのは「白血球」です。
血液の中にある白血球のうち90%以上が「好中球」と「リンパ球」です。
リンパ球の大部分は「T細胞」と「B細胞」に分けられます。
B細胞は異物を感知すると抗体を作るように変化します。
上記の説明に出てこない細胞や物質の名前は、免疫力にとっては取るに足らない些細な存在だと思っていいでしょう。
「ナチュラルキラー細胞」も、取るに足らない影響しかない“その他大勢”のひとつにしか過ぎません。
医学研究の中では、1990年代にはすでに「笑うことで免疫に良い影響があるのではないか」
という観点のものが現れています。
しかし、「患者を笑わせて病気を治す」という治療法は生まれていません。
そんなことができるなら医師が真っ先に試します。
笑うと「ナチュラルキラー細胞」が活性化されるなどと唱えた人もいますが、
試験管の中で細胞の動きが変わることと、人間が病気になるかならないかは別です。
そもそも「ナチュラルキラー細胞」は免疫の働きの中心ではありません。
免疫を担当しているのは「白血球」です。
血液の中にある白血球のうち90%以上が「好中球」と「リンパ球」です。
リンパ球の大部分は「T細胞」と「B細胞」に分けられます。
B細胞は異物を感知すると抗体を作るように変化します。
上記の説明に出てこない細胞や物質の名前は、免疫力にとっては取るに足らない些細な存在だと思っていいでしょう。
「ナチュラルキラー細胞」も、取るに足らない影響しかない“その他大勢”のひとつにしか過ぎません。
●よくある誤解:免疫力を高める方法がある
元気になる方法はいろいろありますが、どれも免疫力を高めるための方法とは言えません。
唯一の例外はワクチンです。
ワクチンで、特定の病原体に対して免疫をつけることができます。
しかし、「免疫力」という言葉から想像されるような、
「あらゆる病気に抵抗できる」という効果ではありません。
元気になる方法はいろいろありますが、どれも免疫力を高めるための方法とは言えません。
唯一の例外はワクチンです。
ワクチンで、特定の病原体に対して免疫をつけることができます。
しかし、「免疫力」という言葉から想像されるような、
「あらゆる病気に抵抗できる」という効果ではありません。
●免疫力を高めるとがんにならない?
免疫力を高める方法がないので、免疫力を高めてがんを防いだり治したりする方法もありません。
●オプジーボは免疫療法じゃないの?
ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)は抗がん剤です。
免疫のしくみを利用する薬なので「免疫療法」と紹介されることがあります。
しかし、免疫力を高める治療ではありません。
また、「免疫療法」のニセ物には注意が必要です。
長年の間、「免疫療法」と謳ってでたらめな治療を高額で売りつける業者が、
無数のがん患者を苦しめてきました。
ニボルマブなどの薬は、でたらめな「免疫療法」とはまったく違います。
免疫力を高める方法がないので、免疫力を高めてがんを防いだり治したりする方法もありません。
●オプジーボは免疫療法じゃないの?
ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)は抗がん剤です。
免疫のしくみを利用する薬なので「免疫療法」と紹介されることがあります。
しかし、免疫力を高める治療ではありません。
また、「免疫療法」のニセ物には注意が必要です。
長年の間、「免疫療法」と謳ってでたらめな治療を高額で売りつける業者が、
無数のがん患者を苦しめてきました。
ニボルマブなどの薬は、でたらめな「免疫療法」とはまったく違います。
●よくある誤解:免疫力を高めると健康になる
そもそも健康のカギのように言われる「免疫力」は、本当にあらゆる病気を防いでくれるのでしょうか。
繰り返しになりますが、免疫とはごく大雑把に言うと風邪を引かないことです。
感染症以外の病気にはたいてい関係ありません。
むしろ一部の病気を引き起こします。
そもそも健康のカギのように言われる「免疫力」は、本当にあらゆる病気を防いでくれるのでしょうか。
繰り返しになりますが、免疫とはごく大雑把に言うと風邪を引かないことです。
感染症以外の病気にはたいてい関係ありません。
むしろ一部の病気を引き起こします。
【ニセ科学をなぜ信じてしまうのか】
日本は世界でも有数の長寿国です。
そのせいでしょうか、異常とも言える健康への執着が感じられることがあります。
そして、ニセ科学にとって都合のいいことに、日本にはお金を持っている人も多くいます。
そういう人たちをだますにはどうすればいいでしょうか。
「科学」に裏打ちされている雰囲気がアピールできればよいのです。
科学は、論理性や実証性があるものだと多くの人々が信頼しているからです。
科学知識や科学センスに弱くても(弱いからこそ)、科学っぽい雰囲気にだまされやすい人は多く存在します。
「宇宙エネルギー」や「ピラミッドパワー」といった、何やら怪しげな感じのするものにすら、
科学的な雰囲気を感じてしまう人がいるくらいです。
本章ではまず、スティーブ・ジョブズと絵門ゆう子さんが命を落とすことになった民間療法を紹介します。
そして、実は私たちはみな、二セ科学を信じてしまう心理システムをもともと持っていることを見ていきます。
日本は世界でも有数の長寿国です。
そのせいでしょうか、異常とも言える健康への執着が感じられることがあります。
そして、ニセ科学にとって都合のいいことに、日本にはお金を持っている人も多くいます。
そういう人たちをだますにはどうすればいいでしょうか。
「科学」に裏打ちされている雰囲気がアピールできればよいのです。
科学は、論理性や実証性があるものだと多くの人々が信頼しているからです。
科学知識や科学センスに弱くても(弱いからこそ)、科学っぽい雰囲気にだまされやすい人は多く存在します。
「宇宙エネルギー」や「ピラミッドパワー」といった、何やら怪しげな感じのするものにすら、
科学的な雰囲気を感じてしまう人がいるくらいです。
本章ではまず、スティーブ・ジョブズと絵門ゆう子さんが命を落とすことになった民間療法を紹介します。
そして、実は私たちはみな、二セ科学を信じてしまう心理システムをもともと持っていることを見ていきます。
1.スティーブ・ジョブズの場合
●すい臓がんの発見
スティーブ・ジョブズ (1955~2011年)は、説明するまでもなく、
アップル社の創業者の一人です。
彼が死去したとき、当時アメリカ合衆国大統領だったバラク・オバマは、
次のように哀悼の意を表しています。
スティーブはアメリカのイノベーターの中で最も偉大な一人でした。
違う考えを持つことに勇敢で、世界を変えられるという信念に大胆で、
そしてそれを成し遂げるための十分な能力がありました。
この星で最も成功した会社の一つをガレージから作り上げることで、
彼はアメリカの独創性の精神を実証しました。
スティーブは毎日が最後の日であるかのように生き、私たちの生活を変え、
全産業を再定義し、私たち一人一人が世界を見る方法を変えました。
2003年、彼にすい臓がんが見つかりました。
以下、がん発見から治療までの経過は、「自身が語り尽くした公式伝記」とされる
ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズI』(井口耕二訳、講談社、2011年。
2015年に講談社+α文庫で再刊)にもとづいて記述します。
●すい臓がんの発見
スティーブ・ジョブズ (1955~2011年)は、説明するまでもなく、
アップル社の創業者の一人です。
彼が死去したとき、当時アメリカ合衆国大統領だったバラク・オバマは、
次のように哀悼の意を表しています。
スティーブはアメリカのイノベーターの中で最も偉大な一人でした。
違う考えを持つことに勇敢で、世界を変えられるという信念に大胆で、
そしてそれを成し遂げるための十分な能力がありました。
この星で最も成功した会社の一つをガレージから作り上げることで、
彼はアメリカの独創性の精神を実証しました。
スティーブは毎日が最後の日であるかのように生き、私たちの生活を変え、
全産業を再定義し、私たち一人一人が世界を見る方法を変えました。
2003年、彼にすい臓がんが見つかりました。
以下、がん発見から治療までの経過は、「自身が語り尽くした公式伝記」とされる
ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズI』(井口耕二訳、講談社、2011年。
2015年に講談社+α文庫で再刊)にもとづいて記述します。
2003年10月、彼は、腎臓結石のときに治療を受けた医師とたまたま顔を合わせ、
腎臓と尿管のCTスキャンを受けるように勧められました。
5年ぶりのCTスキャンでンでした。
腎臓に問題はありませんでしたが、すい臓に影がありました。
検査をした結果、すい臓がんが発見されました。
ただ、ほとんどのすい臓がんは治療できない「腺がん」と呼ばれるタイプなのに、
彼の場合は、「すい臓神経内分泌腫瘍」という珍しいタイプでした。
進行が遅く、たまたま早期に発見されたので、あちこちに転移する前に手術すれば
生存確率も上がるタイプのがんだったのです。
●ジョブズがはまったカルト療法
がんの治療は、いわゆる三大療法、つまり手術、薬物療法、
放射線治療という3つの治療がメインですが、
技術の進歩や医学研究の成果とともに変化します。
現時点で得られている科学的な根拠に基づいた治療のことを
「標準治療」と言います。
標準治療は、手術、薬物療法、放射線治療をそれぞれ単独で、
あるいはいくつかを組み合わせた方法で行われます。
ジョブズのがんの場合は、標準治療では手術で除去するという治療しかありませんでした。
腎臓と尿管のCTスキャンを受けるように勧められました。
5年ぶりのCTスキャンでンでした。
腎臓に問題はありませんでしたが、すい臓に影がありました。
検査をした結果、すい臓がんが発見されました。
ただ、ほとんどのすい臓がんは治療できない「腺がん」と呼ばれるタイプなのに、
彼の場合は、「すい臓神経内分泌腫瘍」という珍しいタイプでした。
進行が遅く、たまたま早期に発見されたので、あちこちに転移する前に手術すれば
生存確率も上がるタイプのがんだったのです。
●ジョブズがはまったカルト療法
がんの治療は、いわゆる三大療法、つまり手術、薬物療法、
放射線治療という3つの治療がメインですが、
技術の進歩や医学研究の成果とともに変化します。
現時点で得られている科学的な根拠に基づいた治療のことを
「標準治療」と言います。
標準治療は、手術、薬物療法、放射線治療をそれぞれ単独で、
あるいはいくつかを組み合わせた方法で行われます。
ジョブズのがんの場合は、標準治療では手術で除去するという治療しかありませんでした。
しかし、彼は手術を拒否しました。
若いころから没頭していた東洋思想などの影響で、体を切り刻まれたくないという、
西洋医学への拒否感があったかもしれません。
また、「権威を信じない」「自分一人を信じる」という彼の信念がそうさせたのかもしれません。
彼は、新鮮なニンジンとフルーツジュースを大量にとるという絶対菜食主義を実践しました。
ハーブ薬なども併用し、他にもインターネットで見つけた療法や、
心霊治療の専門家などに勧められた療法も試しました。
それらの療法の中には、のちほど危険性を述べるコーヒー浣腸もありました。
これらの療法の実践は、すい臓がんの診断から9か月間続きました。
●手術後の経緯
2004年7月の金曜日、新しいCTスキャンには大きくなったがんが写っていました。
他の臓器に転移した可能性もありました。
ついに彼は、現実と向き合うしかなくなりました。
手術の結果、肝臓に3か所の転移が見つかりました。
9か月早く手術していたら、もしかするとがんが広がる前だったかもしれません。
もちろん誰にも確実なことはわかりませんが、多くの人は、
この治療の遅れが致命的な結果につながったと見ています。
アイザックソンは、「『体を開けていじられるのが嫌で、ほかに方法がないか少しやってみたんだ』
/そう当時を回想するジョブズの声には、悔やむような響きが感じられた」と書いています。
若いころから没頭していた東洋思想などの影響で、体を切り刻まれたくないという、
西洋医学への拒否感があったかもしれません。
また、「権威を信じない」「自分一人を信じる」という彼の信念がそうさせたのかもしれません。
彼は、新鮮なニンジンとフルーツジュースを大量にとるという絶対菜食主義を実践しました。
ハーブ薬なども併用し、他にもインターネットで見つけた療法や、
心霊治療の専門家などに勧められた療法も試しました。
それらの療法の中には、のちほど危険性を述べるコーヒー浣腸もありました。
これらの療法の実践は、すい臓がんの診断から9か月間続きました。
●手術後の経緯
2004年7月の金曜日、新しいCTスキャンには大きくなったがんが写っていました。
他の臓器に転移した可能性もありました。
ついに彼は、現実と向き合うしかなくなりました。
手術の結果、肝臓に3か所の転移が見つかりました。
9か月早く手術していたら、もしかするとがんが広がる前だったかもしれません。
もちろん誰にも確実なことはわかりませんが、多くの人は、
この治療の遅れが致命的な結果につながったと見ています。
アイザックソンは、「『体を開けていじられるのが嫌で、ほかに方法がないか少しやってみたんだ』
/そう当時を回想するジョブズの声には、悔やむような響きが感じられた」と書いています。
2008年になるころには、がんが広がりつつあることが明らかになりました。
肝臓移植手術もしましたが、内臓を囲んでいる腹膜に斑点が認められました。
がんの進行は思ったよりも早かったのです。
2010年10月には体調が下り坂に入りました。
痛みがひどくて食事ができなくなりました。
2011年7月の段階では、骨をはじめ体のあちこちにがんが転移してしまい、
もはや治療に適切な薬はなくなってしまいました。
そして2011年10月5日、ジョブズは56歳で逝去しました。
アップル社の創設者の一人にして絶対的なカリスマ性を持ち、
数々のすぐれた製品を世に送り出してきたスティーブ・ジョブズ。
彼のような高い知性の持ち主でも、ニセ科学、ニセ医学にはまり込んだのです。
肝臓移植手術もしましたが、内臓を囲んでいる腹膜に斑点が認められました。
がんの進行は思ったよりも早かったのです。
2010年10月には体調が下り坂に入りました。
痛みがひどくて食事ができなくなりました。
2011年7月の段階では、骨をはじめ体のあちこちにがんが転移してしまい、
もはや治療に適切な薬はなくなってしまいました。
そして2011年10月5日、ジョブズは56歳で逝去しました。
アップル社の創設者の一人にして絶対的なカリスマ性を持ち、
数々のすぐれた製品を世に送り出してきたスティーブ・ジョブズ。
彼のような高い知性の持ち主でも、ニセ科学、ニセ医学にはまり込んだのです。
2.絵門ゆう子さんの場合
●いろいろな療法をさまよう
絵門ゆう子さんは、NHKアナウンサー時代は池田裕子を名乗っていましたが、
聖路加国際病院でがん治療を受ける中で、芸名を改めました。
1986年にフリーに転身後、キャスターや女優として活躍していましたが、
2001年10月に乳がんの告知を受けました。
「II期からIII期、脇の下リンパ節に3か所転移あり」という状態でした。
『がんと一緒にゆっくりと――あらゆる療法をさまよって』(新潮社、2003年。2006年に文庫化)から、
彼女がさまよった療法を見てみましょう。
がんの発見後、手術と抗がん剤による治療を提示されましたが、
「考える時間がほしい」と、それから1年2か月の間、彼女は標準治療を拒否して、
自己治癒力と、それを支えるというふれこみの自然療法や民間療法のみによって
がんの自然退縮を望みました。
そこまで病院を嫌がった背景には、母のがん闘病がありました。
まったく自覚症状がないときに人間ドックで初期の子宮がんが発見された彼女の母は、
入院して手術や抗がん剤の治療をくり返し受けました。
「母は入院のたびに具合を悪くされた」「治療を断った数年間、奇跡的に元気になった」
というイメージが、絵門さんが自然療法や健康食品に傾倒するベースになったようです。
●いろいろな療法をさまよう
絵門ゆう子さんは、NHKアナウンサー時代は池田裕子を名乗っていましたが、
聖路加国際病院でがん治療を受ける中で、芸名を改めました。
1986年にフリーに転身後、キャスターや女優として活躍していましたが、
2001年10月に乳がんの告知を受けました。
「II期からIII期、脇の下リンパ節に3か所転移あり」という状態でした。
『がんと一緒にゆっくりと――あらゆる療法をさまよって』(新潮社、2003年。2006年に文庫化)から、
彼女がさまよった療法を見てみましょう。
がんの発見後、手術と抗がん剤による治療を提示されましたが、
「考える時間がほしい」と、それから1年2か月の間、彼女は標準治療を拒否して、
自己治癒力と、それを支えるというふれこみの自然療法や民間療法のみによって
がんの自然退縮を望みました。
そこまで病院を嫌がった背景には、母のがん闘病がありました。
まったく自覚症状がないときに人間ドックで初期の子宮がんが発見された彼女の母は、
入院して手術や抗がん剤の治療をくり返し受けました。
「母は入院のたびに具合を悪くされた」「治療を断った数年間、奇跡的に元気になった」
というイメージが、絵門さんが自然療法や健康食品に傾倒するベースになったようです。
●どんな療法にすがったのか
標準治療を受けずに自分で治すことを選んだのは、末期がんで病院から見放された後に
自然療法や民間療法で治った人の話を知ったからでした。
末期でないうちから徹底的にいろいろな方法に挑戦すれば、治る可能性があると
思い込んでしまったのです。
断食療法も試しました。
これは「がんに栄養を与えないこと、内臓を休めて元気にさせること、そのために断食がいい」
という理屈でした。
青汁、野菜、果物、お茶などを少量だけとる半断食の治療院に通ったそうです。
断食後もできるだけ少食にすることを治療院からは指示されましたが、体力がなくなり、
さらには「食べてはいけない」という思いがストレスになりました。
次に玄米菜食の料理教室に通い、がん治しグッズの数々に湯水のごとくお金を使いました。
もっとも高額だったのは、「宇宙エネルギー」を取り込むことができるという100万円の布団でした。
ステンレス製のパイプ8本を組み合わせてつくるピラミッドパワー器具、15万円。
体によい「波動」を出すという500円玉ぐらいのメダルを縫い込んだマット、17万円(後述しますが、
「波動」はニセ科学で頻出するワードです)。
アミダグリンという制がん性のある成分がふくまれているという、びわの葉のエキス入りの掛け布団、20万円。
遠赤外線のマット、17万円。
ピラミッドパワーの温灸器、15万円。
マイナスイオンの出る空気清浄機、30万円。
標準治療を受けずに自分で治すことを選んだのは、末期がんで病院から見放された後に
自然療法や民間療法で治った人の話を知ったからでした。
末期でないうちから徹底的にいろいろな方法に挑戦すれば、治る可能性があると
思い込んでしまったのです。
断食療法も試しました。
これは「がんに栄養を与えないこと、内臓を休めて元気にさせること、そのために断食がいい」
という理屈でした。
青汁、野菜、果物、お茶などを少量だけとる半断食の治療院に通ったそうです。
断食後もできるだけ少食にすることを治療院からは指示されましたが、体力がなくなり、
さらには「食べてはいけない」という思いがストレスになりました。
次に玄米菜食の料理教室に通い、がん治しグッズの数々に湯水のごとくお金を使いました。
もっとも高額だったのは、「宇宙エネルギー」を取り込むことができるという100万円の布団でした。
ステンレス製のパイプ8本を組み合わせてつくるピラミッドパワー器具、15万円。
体によい「波動」を出すという500円玉ぐらいのメダルを縫い込んだマット、17万円(後述しますが、
「波動」はニセ科学で頻出するワードです)。
アミダグリンという制がん性のある成分がふくまれているという、びわの葉のエキス入りの掛け布団、20万円。
遠赤外線のマット、17万円。
ピラミッドパワーの温灸器、15万円。
マイナスイオンの出る空気清浄機、30万円。
他にも宇宙エネルギーを取り込む戸棚などいろいろなグッズを入手して使いました。
健康食品類にも多額のお金がかかりました。
1か月分が10万円するものもざらにありました。
飲み過ぎて肝臓が腫れるという副作用が起きたこともありました。
告知から5か月後に出会った民間療法では、薬草の粉をお湯で溶き、
リンパ腺の部分に貼り付けるという のがありました。
この治療を続けているうちにニキビのような白い膿が出る穴ができました。
この療法によれば、穴がどんどん大きくなり、膿の量が増え、
膿がすべて出切るとがんが完治するはずでした。
膿が出るために胸にあちこち穴が開きました。
穴は大きいもので直径1.5センチメートルにもなりました。
手かざしで気を入れるという気功の施術も受けました。
手の指で輪を作り指が離れるかで健康状態を診断するというオーリングテスト、
アメリカ直輸入のマイクロ波による治療も試しました。
薬草の粉治療、気功、オーリングテストのどれもで「がんは心配なくなった」と言われました。
オーリングテストでそう言ってくれたのは、よりによって医師でした。
「自分が大枚をはたいてあちこちでやってきたことがすべてよい結果を出した」、
彼女は本気でそう思っていたのです。
その後わかったことですが、そのとき、実際にはものすごい勢いでがんは転移していました。
健康食品類にも多額のお金がかかりました。
1か月分が10万円するものもざらにありました。
飲み過ぎて肝臓が腫れるという副作用が起きたこともありました。
告知から5か月後に出会った民間療法では、薬草の粉をお湯で溶き、
リンパ腺の部分に貼り付けるという のがありました。
この治療を続けているうちにニキビのような白い膿が出る穴ができました。
この療法によれば、穴がどんどん大きくなり、膿の量が増え、
膿がすべて出切るとがんが完治するはずでした。
膿が出るために胸にあちこち穴が開きました。
穴は大きいもので直径1.5センチメートルにもなりました。
手かざしで気を入れるという気功の施術も受けました。
手の指で輪を作り指が離れるかで健康状態を診断するというオーリングテスト、
アメリカ直輸入のマイクロ波による治療も試しました。
薬草の粉治療、気功、オーリングテストのどれもで「がんは心配なくなった」と言われました。
オーリングテストでそう言ってくれたのは、よりによって医師でした。
「自分が大枚をはたいてあちこちでやってきたことがすべてよい結果を出した」、
彼女は本気でそう思っていたのです。
その後わかったことですが、そのとき、実際にはものすごい勢いでがんは転移していました。
結局は、最後まで頼った薬草の粉治療、気功の民間療法からも放り出されました。
告知から5年足らずの2006年4月6年4月3日、絵門さんは転移性乳がんで死去しました。
まだ49歳でした。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ここまで見てきていかがだったでしょうか。
ジョブズや絵門さんがさまよった民間療法を見て、「いかにもニセ科学然としたものにはまり過ぎだ」と、
その無理解ぶりにあきれ、批判したくなるかもしれません。
がんに恐怖を抱き、「手術で体を切られたくない」という気持ちを持つ患者は少なくないでしょう。
さらに、医学も絶対のものではありません。
未解明の部分はまだ多くあり、がん治療の方法にも絶対はないのです。
ジョブズや絵門さんの場合、標準治療であれば手術することになったでしょう。
でも、「民間療法で治る。治った人がいる」「手術や抗がん剤は苦しむだけだ」という情報を
信じたくなってしまうのも人間ではないでしょうか。
標準治療に不信感があったところに、「これでがんが治る」と断言されてすがってしまう心は理解できる気がします。
しかし、それにつけ込んで金儲けをたくらむ民間療法や健康食品販売会社が多くあることも忘れてはなりません。
絵門さんの本を読み終えて少しホッとするのは、そうした民間療法遍歴を重ねてきた患者に対してでも、
聖路加国際病院のチームが信頼関係をつくり、前向きにがんと共存する気持ちを持たせる治療を行ったことでした。
告知から5年足らずの2006年4月6年4月3日、絵門さんは転移性乳がんで死去しました。
まだ49歳でした。
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ここまで見てきていかがだったでしょうか。
ジョブズや絵門さんがさまよった民間療法を見て、「いかにもニセ科学然としたものにはまり過ぎだ」と、
その無理解ぶりにあきれ、批判したくなるかもしれません。
がんに恐怖を抱き、「手術で体を切られたくない」という気持ちを持つ患者は少なくないでしょう。
さらに、医学も絶対のものではありません。
未解明の部分はまだ多くあり、がん治療の方法にも絶対はないのです。
ジョブズや絵門さんの場合、標準治療であれば手術することになったでしょう。
でも、「民間療法で治る。治った人がいる」「手術や抗がん剤は苦しむだけだ」という情報を
信じたくなってしまうのも人間ではないでしょうか。
標準治療に不信感があったところに、「これでがんが治る」と断言されてすがってしまう心は理解できる気がします。
しかし、それにつけ込んで金儲けをたくらむ民間療法や健康食品販売会社が多くあることも忘れてはなりません。
絵門さんの本を読み終えて少しホッとするのは、そうした民間療法遍歴を重ねてきた患者に対してでも、
聖路加国際病院のチームが信頼関係をつくり、前向きにがんと共存する気持ちを持たせる治療を行ったことでした。
3.「人はだまされるようにできている」ことを知る
●私たちは素朴概念を持っている
私の専門である理科教育では、学習者としての子どもについて、就学前から多くの経験を通して、
さまざまな知識を能動的に獲得して子どもなりの理論を持っていると考えます。
すなわち、子どもたちの頭の中は「白紙」ではなく、未体験の自然現象に直面しても、
ある程度の一貫性がありもっともらしい説明ができる知識・概念(素朴概念)を持っていて、
それを使って解釈や説明を試みたり、予測を行ったりします。
たとえば人は、「湯気」を見て、水の気体である水蒸気と誤認識します(実際には、
水の細かな白色の粒が見えている状態です)。
人間の目に粒が見えない気体は認識しづらく、目に見えるものと混同してしまうのです。
素朴概念は科学理論とは異なるものですが、子どもたちの中では首尾一貫した理論です。
そして、学校の学習などを通して素朴概念を克服できる場合もありますが、
通常の授業を受けても容易には変わりません。
ですから、素朴概念は大人になってもある程度保持される傾向が強いのです。
私たちは、日ごろ何らかの物事を判断するときに、手っ取り早く結論を出すために
各自の素朴概念にもとづいて直感的に決断を下すことをしばしば行っています。
●私たちは素朴概念を持っている
私の専門である理科教育では、学習者としての子どもについて、就学前から多くの経験を通して、
さまざまな知識を能動的に獲得して子どもなりの理論を持っていると考えます。
すなわち、子どもたちの頭の中は「白紙」ではなく、未体験の自然現象に直面しても、
ある程度の一貫性がありもっともらしい説明ができる知識・概念(素朴概念)を持っていて、
それを使って解釈や説明を試みたり、予測を行ったりします。
たとえば人は、「湯気」を見て、水の気体である水蒸気と誤認識します(実際には、
水の細かな白色の粒が見えている状態です)。
人間の目に粒が見えない気体は認識しづらく、目に見えるものと混同してしまうのです。
素朴概念は科学理論とは異なるものですが、子どもたちの中では首尾一貫した理論です。
そして、学校の学習などを通して素朴概念を克服できる場合もありますが、
通常の授業を受けても容易には変わりません。
ですから、素朴概念は大人になってもある程度保持される傾向が強いのです。
私たちは、日ごろ何らかの物事を判断するときに、手っ取り早く結論を出すために
各自の素朴概念にもとづいて直感的に決断を下すことをしばしば行っています。
健康についても同様で、素朴概念を使って、周囲の健康情報を排除したり受け入れたりしているのです。
しかし、そこに落とし穴があります。
●人類の脳は3万年前と同じ「信じたがる脳」
ジョブズや絵門さんを例にして見てきましたが、賢いはずの人でも簡単にだまされるのは、
実は「生き延びる」ための行動の習性を、私たちが祖先から受け継いでいるからだという面があります。
認知心理学の研究者である菊池聡さん(信州大学人文学部教授)は、「ニセ科学を信じてしま心のしくみ」
という論説(「RikaTan 〔理科の探検]」 2014年春号)を次の言葉から始めています。
「なぜこんなものに騙されてしまうんでしょうかね?」
ニセ科学を小道具にした問題商法が報じられると、ため息まじりにこう尋ねられることがあります。
もっともな疑問だと思います。
よい言葉をかけると水がきれいに結晶するとか、細菌が放射能を消滅させるとかいう話は、
ごく常識的な科学知識があれば、ひっかかりようのない話だと思いませんか。
しかし、こんな時に私はたいていこう答えます。
「なぜ騙されてしまうのか、と問うより、なぜ騙されない人がいるのかと考える方が適切ですよ」と。
しかし、そこに落とし穴があります。
●人類の脳は3万年前と同じ「信じたがる脳」
ジョブズや絵門さんを例にして見てきましたが、賢いはずの人でも簡単にだまされるのは、
実は「生き延びる」ための行動の習性を、私たちが祖先から受け継いでいるからだという面があります。
認知心理学の研究者である菊池聡さん(信州大学人文学部教授)は、「ニセ科学を信じてしま心のしくみ」
という論説(「RikaTan 〔理科の探検]」 2014年春号)を次の言葉から始めています。
「なぜこんなものに騙されてしまうんでしょうかね?」
ニセ科学を小道具にした問題商法が報じられると、ため息まじりにこう尋ねられることがあります。
もっともな疑問だと思います。
よい言葉をかけると水がきれいに結晶するとか、細菌が放射能を消滅させるとかいう話は、
ごく常識的な科学知識があれば、ひっかかりようのない話だと思いませんか。
しかし、こんな時に私はたいていこう答えます。
「なぜ騙されてしまうのか、と問うより、なぜ騙されない人がいるのかと考える方が適切ですよ」と。
菊池さんは、「普通ならば常識ある人は騙されないはずだという暗黙の前提があるようですが、
それはおそらく逆で、事実でないことでも事実のように信じてしまう思考傾向は、
もともと人の心理システムに組み込まれており、簡単には騙されない思考こそ、
そのシステムに逆らっているととらえる方が、より適切で建設的だと考えられる」と言うのです。
このような心理システムは、人類が進化の中で獲得したものです。
拙著『面白くて眠れなくなる人類進化』(PHP研究所、2015年)から、
猿人から現在の新入に至る道筋をざっと見てみましょう。
われわれの祖先は、もともと樹上に暮らしていました。
その先祖が木から降りて地上に住むようになった結果、初期猿人、猿人、原人、旧人、
新人という段階を経て進化してきたと考えられています。
約20万年前から現在までが新人の時代です。ァフリカでホモ・サピエンスが誕生し、
約6万年前にアフリカからホモ・サピエンス(一部混血)が世界中に拡散しました。
そして、約1万年前には農耕と牧畜を開始しました。
いつから今のような心理システムになったかは、現代人のような言語能力の開始と関係があることでしょう。
これは、約4万年前の芸術や宗教などの抽象的な思考の発達と関連して考える研究者が多いようです。
当時のヒトが描いたと思われる壁画を見ると、彼らが言語能力をともなう創造力を通して、
大自然にふれ、それについて考えていたことが想像できます。
それはおそらく逆で、事実でないことでも事実のように信じてしまう思考傾向は、
もともと人の心理システムに組み込まれており、簡単には騙されない思考こそ、
そのシステムに逆らっているととらえる方が、より適切で建設的だと考えられる」と言うのです。
このような心理システムは、人類が進化の中で獲得したものです。
拙著『面白くて眠れなくなる人類進化』(PHP研究所、2015年)から、
猿人から現在の新入に至る道筋をざっと見てみましょう。
われわれの祖先は、もともと樹上に暮らしていました。
その先祖が木から降りて地上に住むようになった結果、初期猿人、猿人、原人、旧人、
新人という段階を経て進化してきたと考えられています。
約20万年前から現在までが新人の時代です。ァフリカでホモ・サピエンスが誕生し、
約6万年前にアフリカからホモ・サピエンス(一部混血)が世界中に拡散しました。
そして、約1万年前には農耕と牧畜を開始しました。
いつから今のような心理システムになったかは、現代人のような言語能力の開始と関係があることでしょう。
これは、約4万年前の芸術や宗教などの抽象的な思考の発達と関連して考える研究者が多いようです。
当時のヒトが描いたと思われる壁画を見ると、彼らが言語能力をともなう創造力を通して、
大自然にふれ、それについて考えていたことが想像できます。
つまり、人類が現代人のような心理システムを持つようになってから数万年程度しか経っていないのです。
このころに獲得した「生き延びる」ための行動の習性は、脳に蓄積されていきました。
この中に、理屈に合わないことでも簡単に信じてしまう心理システムもありました。
では、なぜそのような心理システムが人間には必要だったのでしょうか。
ガイ・P ・ハリソン『Think 疑え!』(松本剛史訳、集英社インターナショナル、2014年) から
そのあたりのことを紹介しましょう。
脳は「事実」と「フィクション」を区別することが非常に苦手です。
あることについての記憶も、脳がつくり出している「過去をめぐるストーリー」の集積です。
「見たこと聞いたことなどをすべて脳の中にそっくり記録している」のが記憶だと思われがちですが、
実際には、脳が重要ではないと感じた話の一部を省略したり、別の過去を混ぜ合わせたり、
まったく架空の出来事をつなぎ合わせたり、事実や登場人物をシャッフルしたりするなど、
脳内でなめらかに編集されているのです。
自分の人生の中で重要かつ劇的な瞬間は、いつまでも記憶に焼きついていると考えがちですが、
残念ながらそうではありません。
実際にあった出来事が、ウソの記憶によって簡単につくり替えられてしまうのです。
また、人の記憶はごく簡単に操作できることもわかってきました。
このころに獲得した「生き延びる」ための行動の習性は、脳に蓄積されていきました。
この中に、理屈に合わないことでも簡単に信じてしまう心理システムもありました。
では、なぜそのような心理システムが人間には必要だったのでしょうか。
ガイ・P ・ハリソン『Think 疑え!』(松本剛史訳、集英社インターナショナル、2014年) から
そのあたりのことを紹介しましょう。
脳は「事実」と「フィクション」を区別することが非常に苦手です。
あることについての記憶も、脳がつくり出している「過去をめぐるストーリー」の集積です。
「見たこと聞いたことなどをすべて脳の中にそっくり記録している」のが記憶だと思われがちですが、
実際には、脳が重要ではないと感じた話の一部を省略したり、別の過去を混ぜ合わせたり、
まったく架空の出来事をつなぎ合わせたり、事実や登場人物をシャッフルしたりするなど、
脳内でなめらかに編集されているのです。
自分の人生の中で重要かつ劇的な瞬間は、いつまでも記憶に焼きついていると考えがちですが、
残念ながらそうではありません。
実際にあった出来事が、ウソの記憶によって簡単につくり替えられてしまうのです。
また、人の記憶はごく簡単に操作できることもわかってきました。
そして、本書にとって重要な点、それは脳が「信じたがる」習性を持っているということです。
菊池さんが述べる「人はだまされるようにできている」、つまり「だまされる」脳を持っているということです。
どういうことでしょうか。
私たちが「見る」ことを行っているとき、目に入った光は、
網膜で電気信号に変換され、視神経を通して脳に送られます。
すなわち、われわれが「あるものを見た」と思っている現象は、
鏡やカメラのように実物を映しているわけではなく、
脳によって大きく変更・編集された情報なのです。
いわば、実際の出来事を元に、映画のようなものをつくり出しているのです。
そのとき、とらえ切れていない(欠けている)部分を、現実にはない映像で埋めてしまおうとします。
また、ばらばらの点をつなぎ合わせたり、一定のパターンを見つけ出そうともします。
脳が現実ではないことを「捏造」しているとも言えるこの現象、しかしこのような脳だからこそ、
私たちは「生き延びる」行動ができるとも言えるのです。
人類の祖先が、野生の動植物を狩猟・採集したり、
天敵に襲われるのを避けるときを考えてみましょう。
たとえば藪の中で目立たないように潜んでいる鳥やウサギを捕まえるためには、
見えているばらばらの点をつなぎ合わせたり、
一定のパターンを探し出して獲物を見つけることが必要になります。
隠れてこちらを狙っている捕食者を見つけるときも同じです。
菊池さんが述べる「人はだまされるようにできている」、つまり「だまされる」脳を持っているということです。
どういうことでしょうか。
私たちが「見る」ことを行っているとき、目に入った光は、
網膜で電気信号に変換され、視神経を通して脳に送られます。
すなわち、われわれが「あるものを見た」と思っている現象は、
鏡やカメラのように実物を映しているわけではなく、
脳によって大きく変更・編集された情報なのです。
いわば、実際の出来事を元に、映画のようなものをつくり出しているのです。
そのとき、とらえ切れていない(欠けている)部分を、現実にはない映像で埋めてしまおうとします。
また、ばらばらの点をつなぎ合わせたり、一定のパターンを見つけ出そうともします。
脳が現実ではないことを「捏造」しているとも言えるこの現象、しかしこのような脳だからこそ、
私たちは「生き延びる」行動ができるとも言えるのです。
人類の祖先が、野生の動植物を狩猟・採集したり、
天敵に襲われるのを避けるときを考えてみましょう。
たとえば藪の中で目立たないように潜んでいる鳥やウサギを捕まえるためには、
見えているばらばらの点をつなぎ合わせたり、
一定のパターンを探し出して獲物を見つけることが必要になります。
隠れてこちらを狙っている捕食者を見つけるときも同じです。
一定のパターンを見つけ出してしまう脳の力は、現代の私たちも日常生活で活用しています。
物事のパターンを見出すことにより、行動の能率を上げたり、危険を回避しているのです。
しかし、この脳の力は、まかり間違えば関係のないものまで関連づけてしまう危険性もはらんでいます。
「実在しないものがそこにある」と信じ込んでしまう原因にもなりうるのです。
●認知バイアス
人は、たとえ正確な情報や知識を得ていたとしても、
ときには自分の利害や希望に沿う方向で考えてしまったり、
対象の目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴を見失ったりして、
自らの情報を歪め、あえて誤認識してしまったりします。
この過程は認知バイアスとも呼ばれ、人が「自分で自分をだます」仕組みを備えていることを意味します。
ニセ科学を考えるときには、この心の働きを念頭に置いておく必要があります。
菊池聡さんは、ニセ科学を受け入れてしまう心理的要因は、
「1 社会的な情報の(無批判な)受容」
「2 人の基本的な動機づけ」
「3 見かけの実用性」
「4 具体的な体験」
だと指摘しています。
物事のパターンを見出すことにより、行動の能率を上げたり、危険を回避しているのです。
しかし、この脳の力は、まかり間違えば関係のないものまで関連づけてしまう危険性もはらんでいます。
「実在しないものがそこにある」と信じ込んでしまう原因にもなりうるのです。
●認知バイアス
人は、たとえ正確な情報や知識を得ていたとしても、
ときには自分の利害や希望に沿う方向で考えてしまったり、
対象の目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴を見失ったりして、
自らの情報を歪め、あえて誤認識してしまったりします。
この過程は認知バイアスとも呼ばれ、人が「自分で自分をだます」仕組みを備えていることを意味します。
ニセ科学を考えるときには、この心の働きを念頭に置いておく必要があります。
菊池聡さんは、ニセ科学を受け入れてしまう心理的要因は、
「1 社会的な情報の(無批判な)受容」
「2 人の基本的な動機づけ」
「3 見かけの実用性」
「4 具体的な体験」
だと指摘しています。
「1 社会的な情報の(無批判な)受容」は、「権威ある」と思われる情報源(テレビ、本や雑誌などのマスコミや、
信頼できそうな肩書きの「専門家」の言うこと)を信頼して受け入れる思考傾向です。
あらゆる情報を疑ってかかることはできなかかることはできないので、
この思考傾向は自然なことです。
「2 人の基本的な動機づけ」は、新しい未知の出来事に対して興味を持ち、
「説明をつけたい」という気持ち(動機付け)を持っていることです。
また、「科学的な正しさ」よりも「環境をよくしたい」などの善意への傾斜も見られます。
「3 見かけの実用性」は、たとえ科学的に誤っていても、
見かけ上実用的な価値がある場合が多いということです。
たとえば血液型性格学はコミュニケーションなどに役立つ面があります。
「4 具体的な体験」は、自分自身や身近な人による直接・間接の体験です。
その直接・間接の体験から自分の考えに合った事実だけを切り取り、
不都合なことは無視する認知バイアスの影響下で自分の考えを強めてしまいます。
「認知バイアス」とは「私たちの認知の中にある思考の偏り(傾向)」です。
認知は認識とも言い、事物や事象について知ること、あるいはその過程を意味します。
バイアスは、偏り、見、先入観の意味です。
信頼できそうな肩書きの「専門家」の言うこと)を信頼して受け入れる思考傾向です。
あらゆる情報を疑ってかかることはできなかかることはできないので、
この思考傾向は自然なことです。
「2 人の基本的な動機づけ」は、新しい未知の出来事に対して興味を持ち、
「説明をつけたい」という気持ち(動機付け)を持っていることです。
また、「科学的な正しさ」よりも「環境をよくしたい」などの善意への傾斜も見られます。
「3 見かけの実用性」は、たとえ科学的に誤っていても、
見かけ上実用的な価値がある場合が多いということです。
たとえば血液型性格学はコミュニケーションなどに役立つ面があります。
「4 具体的な体験」は、自分自身や身近な人による直接・間接の体験です。
その直接・間接の体験から自分の考えに合った事実だけを切り取り、
不都合なことは無視する認知バイアスの影響下で自分の考えを強めてしまいます。
「認知バイアス」とは「私たちの認知の中にある思考の偏り(傾向)」です。
認知は認識とも言い、事物や事象について知ること、あるいはその過程を意味します。
バイアスは、偏り、見、先入観の意味です。
以上のような心理的な要因が、ニセ科学を信じてしまう背景にあります。
「多くの人がニセ科学を信じてしまうのは、科学知識が不足していたり、理科教育(科学教育)の力が弱かったりするからだ」
というだけでは、ニセ科学を信じてしまう理由は説明できないのです。
私たちが思考するときには、常に認知バイアスが働いています。
その結果、ニセ科学を受け入れてしまうことも起こりえます。
●確証バイアス
人間は、自分の信じていることと矛盾する証拠を無視したり、曲解する傾向があるだけではなく、
自分の信じていることを裏付ける証拠や議論ばかりに目を向け、認知する心的傾向があります。
これを確証バイアスと言います。
確証バイアスとは、一言で言えば「自分に都合のよい事実だけしか見ない、集めない」ということです。
自分に都合の悪い事実は無視したり、探す努力を怠ったりします。
このため、最初に自分が信じた考えを補強する情報ばかりを集め、「自分の考えは間違っていない」
と思い込んでしまうのです。
簡単な例を出すと、一緒に出かけると必ず雨が降る「雨男・雨女」と言われる人たちがいます。
雨男や雨女が存在すると信じ、ある人が「雨男」だという考えを持つと、
その人がいるときに雨が降っていたという事実のみが強く印象に残り、
雨が降らなかったときには注意を引かずに忘れられるのです。
「多くの人がニセ科学を信じてしまうのは、科学知識が不足していたり、理科教育(科学教育)の力が弱かったりするからだ」
というだけでは、ニセ科学を信じてしまう理由は説明できないのです。
私たちが思考するときには、常に認知バイアスが働いています。
その結果、ニセ科学を受け入れてしまうことも起こりえます。
●確証バイアス
人間は、自分の信じていることと矛盾する証拠を無視したり、曲解する傾向があるだけではなく、
自分の信じていることを裏付ける証拠や議論ばかりに目を向け、認知する心的傾向があります。
これを確証バイアスと言います。
確証バイアスとは、一言で言えば「自分に都合のよい事実だけしか見ない、集めない」ということです。
自分に都合の悪い事実は無視したり、探す努力を怠ったりします。
このため、最初に自分が信じた考えを補強する情報ばかりを集め、「自分の考えは間違っていない」
と思い込んでしまうのです。
簡単な例を出すと、一緒に出かけると必ず雨が降る「雨男・雨女」と言われる人たちがいます。
雨男や雨女が存在すると信じ、ある人が「雨男」だという考えを持つと、
その人がいるときに雨が降っていたという事実のみが強く印象に残り、
雨が降らなかったときには注意を引かずに忘れられるのです。
確証バイアスが働いているときにでも人は、自分は合理的にしっかり考えていると思い込んでいます。
しかし、私たちの思考は完全ではありません。
確証バイアスのような認知バイアスは誰にでもあるのです。
科学的に考えるということは、ひとつのことをいろいろな角度から柔軟に考えることができる頭を持つことでもあります。
ですから自分の考えへの批判的な意見を意識的に探して、場合によっては自分の考えを修正することも必要です。
4.あふれる健康情報と体験談
●信頼性のない体験談
ニセ科学は、とくに健康をめぐる分野で蔓延しています。
病気の不安心理につけ込み、アトピーが治る、がんにならない、がんが治る、などと称して、
あたかも科学にもとづいているかのような雰囲気をまとっています。
体験談や仮説的な説明だけで、まるで科学的な根拠があるかのような怪しげな健康情報が、
テレビや新聞・雑誌などのメディアを通して、われわれの周囲に迫ってきます。
90歳になった私の母も、食事のときに「お前、本当に忙しいねえ。○○は△△にいいんですから食べなさい」
などと言います。
何の科学的根拠もありませんが、息子の健康を心配しての言葉です。
どこでそんなことを耳にしたのかと訊いてみると、一番影響を与えているのがテレビのようです。
しかし、私たちの思考は完全ではありません。
確証バイアスのような認知バイアスは誰にでもあるのです。
科学的に考えるということは、ひとつのことをいろいろな角度から柔軟に考えることができる頭を持つことでもあります。
ですから自分の考えへの批判的な意見を意識的に探して、場合によっては自分の考えを修正することも必要です。
4.あふれる健康情報と体験談
●信頼性のない体験談
ニセ科学は、とくに健康をめぐる分野で蔓延しています。
病気の不安心理につけ込み、アトピーが治る、がんにならない、がんが治る、などと称して、
あたかも科学にもとづいているかのような雰囲気をまとっています。
体験談や仮説的な説明だけで、まるで科学的な根拠があるかのような怪しげな健康情報が、
テレビや新聞・雑誌などのメディアを通して、われわれの周囲に迫ってきます。
90歳になった私の母も、食事のときに「お前、本当に忙しいねえ。○○は△△にいいんですから食べなさい」
などと言います。
何の科学的根拠もありませんが、息子の健康を心配しての言葉です。
どこでそんなことを耳にしたのかと訊いてみると、一番影響を与えているのがテレビのようです。
そういう健康情報が流布するときに、威力を発揮するのが「体験談」です。
新聞の折り込みチラシや雑誌の広告ページには、「○○のおかげで健康になりました」
という体験談がたくさん載っています。
口コミ で広まる健康情報も同様です。
しかし、体験談などいくらでも捏造できるのです。
捏造の体験談の健康本が摘発されたこともあります。
もし仮に体験談が本当だったとしても、本当にその食品で治ったかどうかははっきりしません。
他の原因で治ったのかもしれませんし、治っていない、あるいは悪化した人が多数いるかもしれません。
それに、病気や健康状態には「サイクル」があるのです。
ベン・ゴールドエィカー『デタラメ健康科学 ―― 代替療法・製薬産業・メディアのウソ』
(梶山あゆみ訳、河出書房新社、2011年)から、腰痛の例を紹介しましょう。
腰痛の場合、ときどき痛くなっては痛みが去る、というサイクルがくり返されます。
何日かいいと思うと何日か悪くなり、何週間かいいと思うと何週間か悪くなります。
痛みのピークを越えたらそのあとは楽になっていきます。
それがあなたの腰痛のパターンだからです。
多くの病気にも同様な「自然経過」があります。
病気に対して何らかの手を打つときというのは、決まって症状が最悪のときです。
そのため、本当は何もしなくても改善した場合も、「よくなったのは○○のせい」
と思い込んでしまうのです。
新聞の折り込みチラシや雑誌の広告ページには、「○○のおかげで健康になりました」
という体験談がたくさん載っています。
口コミ で広まる健康情報も同様です。
しかし、体験談などいくらでも捏造できるのです。
捏造の体験談の健康本が摘発されたこともあります。
もし仮に体験談が本当だったとしても、本当にその食品で治ったかどうかははっきりしません。
他の原因で治ったのかもしれませんし、治っていない、あるいは悪化した人が多数いるかもしれません。
それに、病気や健康状態には「サイクル」があるのです。
ベン・ゴールドエィカー『デタラメ健康科学 ―― 代替療法・製薬産業・メディアのウソ』
(梶山あゆみ訳、河出書房新社、2011年)から、腰痛の例を紹介しましょう。
腰痛の場合、ときどき痛くなっては痛みが去る、というサイクルがくり返されます。
何日かいいと思うと何日か悪くなり、何週間かいいと思うと何週間か悪くなります。
痛みのピークを越えたらそのあとは楽になっていきます。
それがあなたの腰痛のパターンだからです。
多くの病気にも同様な「自然経過」があります。
病気に対して何らかの手を打つときというのは、決まって症状が最悪のときです。
そのため、本当は何もしなくても改善した場合も、「よくなったのは○○のせい」
と思い込んでしまうのです。
実際に自分が体験したことであっても、先ほども述べたように記憶違いや記憶の捏造もあるし、
自分にとって有利な体験だけを記憶しがちであることにも注意しなければなりません。
さらに、人はみな、健康についての素朴概念を持っていて、周りの健康情報を排除したり受け入れたりしています。
多くの人は、自分が気に入ったものは受け入れますが、気に入らない情報は欠点を見つけ出したりして排除します。
結果として、「自分が正しい」となりやすいのです。
こうした「体験」の危うさについて、いつも注意しなければなりません。
薬や食品の有効性を調べる試験では、試験管レベル、動物実験レベルですら科学的な根拠は薄いのですが、
それよりもずっと根拠が薄いのは体験談です。
本当に効くかどうかは、二重盲検法(ダブルブラインド法)などで科学的に調べなければなりません。
ちなみに二重盲検法とは、ある集団には有効成分がふくまれている治験用薬を、
もう一方の集団には有効成分がふくまれていない偽薬(プラセボ、プラシーボ)を与え、
患者と医師双方に治験用薬と偽薬の区別を知らせず、第三者である判定者だけが
その区別を知っているという研究方法です。
自分にとって有利な体験だけを記憶しがちであることにも注意しなければなりません。
さらに、人はみな、健康についての素朴概念を持っていて、周りの健康情報を排除したり受け入れたりしています。
多くの人は、自分が気に入ったものは受け入れますが、気に入らない情報は欠点を見つけ出したりして排除します。
結果として、「自分が正しい」となりやすいのです。
こうした「体験」の危うさについて、いつも注意しなければなりません。
薬や食品の有効性を調べる試験では、試験管レベル、動物実験レベルですら科学的な根拠は薄いのですが、
それよりもずっと根拠が薄いのは体験談です。
本当に効くかどうかは、二重盲検法(ダブルブラインド法)などで科学的に調べなければなりません。
ちなみに二重盲検法とは、ある集団には有効成分がふくまれている治験用薬を、
もう一方の集団には有効成分がふくまれていない偽薬(プラセボ、プラシーボ)を与え、
患者と医師双方に治験用薬と偽薬の区別を知らせず、第三者である判定者だけが
その区別を知っているという研究方法です。
●有効性の根拠としての信頼度
薬や食品の有効性を調べる研究で、信頼度の高いものから低いものへと並べると次の表のようになります。
高 ・メタアナリシス(単独の二重盲検をたくさん集めて、それらを統計学的に評価)
↑ ・二重盲検法(ランダム化比較試験)
↑ ・オープンスタディ(患者を、健康食品を摂取してもらうグループとそうでないグループに分け、効果を比較する研究)
信 ・コホート研究(健康食品を摂取している患者の集団を長期的に観察する研究)
頼 ・ケースシリーズ(症例報告と同じことを複数の患者に行ったもの)
度 ・症例報告(患者に健康食品を摂取してもらい、どのように変化したかという報告)
↓ ・マウスなど動物を使った研究
↓ ・培養細胞などを使った試験管での研究
低 ・体験談
ヒトについての試験としては、少なくともコホート研究以上でなければ根拠があるとは言えません。
ヒトを対象にした試験で有効性がない、あるいはそもそも試験されていない健康食品やサプリには近づかないことです。
薬や食品の有効性を調べる研究で、信頼度の高いものから低いものへと並べると次の表のようになります。
高 ・メタアナリシス(単独の二重盲検をたくさん集めて、それらを統計学的に評価)
↑ ・二重盲検法(ランダム化比較試験)
↑ ・オープンスタディ(患者を、健康食品を摂取してもらうグループとそうでないグループに分け、効果を比較する研究)
信 ・コホート研究(健康食品を摂取している患者の集団を長期的に観察する研究)
頼 ・ケースシリーズ(症例報告と同じことを複数の患者に行ったもの)
度 ・症例報告(患者に健康食品を摂取してもらい、どのように変化したかという報告)
↓ ・マウスなど動物を使った研究
↓ ・培養細胞などを使った試験管での研究
低 ・体験談
ヒトについての試験としては、少なくともコホート研究以上でなければ根拠があるとは言えません。
ヒトを対象にした試験で有効性がない、あるいはそもそも試験されていない健康食品やサプリには近づかないことです。
5.ニセ科学は誰を狙うか
ニセ科学を「すごい! 驚きの技術だ、考え方だ!」と褒めそやして、
ニセ科学の普及に一役も二役も買ってきた船井幸雄氏(2014年死去)
という経営コンサルタントがいます。
2巻目もふくめて500万部を超えるベストセラーになった春山茂雄『脳内革命』
(サンマーク出版、1995~96年)でも、船井氏の後押しがありました。
この本は、神経伝達物質にすぎない脳内モルヒネが、成人病(現在の生活習慣病)、
がん、エイズにまで効くという、脳内モルヒネ万能をうたった内容でした。
ニセ科学を世の中に普及させるために、船井氏は専門であるマーケティング論を活用しています。
彼の場合、人を4段階に分け、その第一のタイプ「先覚者」(人口で言うと2%ほど)に注目します。
その男女比は 男:女=2:8 で、女性がメインだということです。
船井氏によると、「先覚者」は、インドのサイババ(不治の病を治したり、
何もないところから灰や指輪などを出すと称した「超能力」の持ち主)をすぐに信じて、
彼に会いに行ってしまうような人たちです。
なおサイババは2011年に亡くなりましたが、彼の「超能力」は結局のところマジックで、
二流のマジシャンであると他のマジシャンに見抜かれています。
第二のタイプは「素直な人」(3%)です。
「先覚者」の言うことに素直に耳を傾けます。
第三のタイプは「普通の人」(70%弱)です。
ニセ科学を「すごい! 驚きの技術だ、考え方だ!」と褒めそやして、
ニセ科学の普及に一役も二役も買ってきた船井幸雄氏(2014年死去)
という経営コンサルタントがいます。
2巻目もふくめて500万部を超えるベストセラーになった春山茂雄『脳内革命』
(サンマーク出版、1995~96年)でも、船井氏の後押しがありました。
この本は、神経伝達物質にすぎない脳内モルヒネが、成人病(現在の生活習慣病)、
がん、エイズにまで効くという、脳内モルヒネ万能をうたった内容でした。
ニセ科学を世の中に普及させるために、船井氏は専門であるマーケティング論を活用しています。
彼の場合、人を4段階に分け、その第一のタイプ「先覚者」(人口で言うと2%ほど)に注目します。
その男女比は 男:女=2:8 で、女性がメインだということです。
船井氏によると、「先覚者」は、インドのサイババ(不治の病を治したり、
何もないところから灰や指輪などを出すと称した「超能力」の持ち主)をすぐに信じて、
彼に会いに行ってしまうような人たちです。
なおサイババは2011年に亡くなりましたが、彼の「超能力」は結局のところマジックで、
二流のマジシャンであると他のマジシャンに見抜かれています。
第二のタイプは「素直な人」(3%)です。
「先覚者」の言うことに素直に耳を傾けます。
第三のタイプは「普通の人」(70%弱)です。
最後が「抵抗者」(10%弱)。
18歳以上の男性に多いと言います。職業的には学者、マスコミ人などです。
船井氏は「抵抗者」は無視すると言います。
第一の「先覚者」の3、4割が動き出すと、「素直な人」の半分くらいが同調し、
さらにそれに「普通の人」が追随してブームが起こります。
ですから、船井氏が推薦する「驚きの技術」をまず「先覚者」に伝え、彼らを動かすことが必要です
(船井幸雄『これからの10年 驚きの発見』サンマーク出版、1997年)。
私たちニセ科学批判派の側から見ると、とくに「先覚者」や「素直な人」はニセ科学に引っかかりやすい人たちです。
ニセ科学側は、そういう人たちを動かそうといつも狙っています。
ニセ科学を活用する商売人たちは「これを買って使えば健康によい」と納得させようと必死です。
そのために、まず素直な人を納得させて、あとはロコミや、現代のロコミであるインターネットなどで
普通の人にまで広げていこうとするのです。
今や、その中に教員もかなりいるのが大問題です。
水が言葉を理解し、感謝の言葉できれいな結晶になるという『水からの伝言』に感動し、善意からそれを広め、
「きれいな言葉を使いましょう」などと授業でやってしまうような教師が増えているのです。
しかし二セ科学にはまり込むと、「無駄なお金や時間が消費される」「善意が虚しい活動に消費される」
「治る病気も治らない、悪化する」などの大きなマイナスがあることを忘れてはなりません。
18歳以上の男性に多いと言います。職業的には学者、マスコミ人などです。
船井氏は「抵抗者」は無視すると言います。
第一の「先覚者」の3、4割が動き出すと、「素直な人」の半分くらいが同調し、
さらにそれに「普通の人」が追随してブームが起こります。
ですから、船井氏が推薦する「驚きの技術」をまず「先覚者」に伝え、彼らを動かすことが必要です
(船井幸雄『これからの10年 驚きの発見』サンマーク出版、1997年)。
私たちニセ科学批判派の側から見ると、とくに「先覚者」や「素直な人」はニセ科学に引っかかりやすい人たちです。
ニセ科学側は、そういう人たちを動かそうといつも狙っています。
ニセ科学を活用する商売人たちは「これを買って使えば健康によい」と納得させようと必死です。
そのために、まず素直な人を納得させて、あとはロコミや、現代のロコミであるインターネットなどで
普通の人にまで広げていこうとするのです。
今や、その中に教員もかなりいるのが大問題です。
水が言葉を理解し、感謝の言葉できれいな結晶になるという『水からの伝言』に感動し、善意からそれを広め、
「きれいな言葉を使いましょう」などと授業でやってしまうような教師が増えているのです。
しかし二セ科学にはまり込むと、「無駄なお金や時間が消費される」「善意が虚しい活動に消費される」
「治る病気も治らない、悪化する」などの大きなマイナスがあることを忘れてはなりません。
連続投稿で板を占有してしまってる人がいるね、
残念、遺憾。
残念、遺憾。
で、スレ主体調どうなん?
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スレッドタイトル:小細胞肺がんになりました。