http://jbcs.gr.jp/guidline/2018/index/ekigakuyob... 2016年,Wuらは乳製品の品種と乳癌リスクについてのメタアナリシスを報告している22)。
全乳では最大摂取群と最小摂取群について8件のコホート研究から相対リスクは0.99(95%CI 0.87-1.12)
と有意なリスク減少は認めず,5件のコホート研究による用量反応関係も相対リスク1.02(95%CI 0.92-1.13)と有意差を認めなかった。
無脂肪乳では最大摂取群と最小摂取群について7件のコホート研究から相対リスク0.93(95%CI 0.85-1.00)と有意にリスク減少し,
5件のコホート研究による用量反応関係も相対リスク0.96(95%CI 0.92-1.00)と有意差を認めた。ヨーグルトでは
最大摂取群と最小摂取群について5件のコホート研究から相対リスク0.90(95%CI 0.82-1.00)と有意にリスク減少したが,
3件のコホート研究による用量反応関係は相対リスク0.87(95%CI 0.72-1.06)と有意差を認めなかった。
コホート研究のほとんどは北米および欧州であるが,アジアでの症例対象研究のメタアナリシスがZangらによって報告されている23)。
乳製品の最小摂取群を基準とした最大摂取群のオッズ比は0.74(95%CI 0.62-0.88)であり,リスクの低減を認めた。
以上より,過去の研究からは,乳製品全般の摂取は乳癌発症リスクを減少させる可能性が示唆されている。
しかし,脂肪含有量の多い乳製品の摂取はリスクを高めるとする報告も認められる。乳製品の品種について,
無脂肪乳はリスク低減する可能性があり,ヨーグルトは報告が少ないもののリスク低減の可能性がある。
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