「病原体回避仮説」は、自慰行為を行うことで多くの性感染症の感染部位である尿道を洗浄することができるという仮説です。
自慰行為による射精によって、生殖管から性感染症を引き起こす病原体を洗い流すことで、メスとの交尾の後に性感染症にかかる
危険性を低減することができるとされています。
ブリンドル氏らは「性感染症につながる病原体が存在しない場合、自慰行為の頻度は非常に高い割合で低下しましたが、
一方で病原体が存在する場合、自慰行為の頻度は低下しませんでした」と述べています。
一方でメスの自慰行為は報告数が少なかったことなどから重要性は明確ではないことを報告し、研究チームは
「メスの自慰行為の進化的役割を明確に理解するためには、メスの性行動に関するより多くのデータが必要です」
と主張しています。
ブリンドル氏は「今回の私たちの分析結果は、一般的な行動とはいえほとんど理解が進んでいない自慰行為の歴史や機能に光を当て、
自慰行為に関する理解における重要な発見を生み出しました。
自慰行為が野生、飼育下を問わず多くの霊長類で観察されているという事実は、自慰行為が快楽目的だけではない健康的、
健全な性行動のレパートリーの一部であることを示しています」と述べています。
またブリンドル氏は「霊長類は自身が置かれている複雑な状況に応じて、必要に応じて自慰行為を行っている可能性があります」
と主張しています。
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