4月22日 4時51分
アトピー性皮膚炎は、皮膚の表面で複数の細菌が異常に増えることで起きるという研究成果を、
アメリカの国立衛生研究所と慶應大学などのグループが発表しました。
アトピー性皮膚炎の根本的な治療法の開発につながると注目されます。
この研究は、アメリカのNIH=国立衛生研究所の永尾圭介主任研究員と
慶應大学などのグループがアメリカの科学雑誌「イミュニティ」の電子版で発表したものです。
グループでは、アトピー性皮膚炎を発症する特殊なマウスを使って皮膚の表面を調べたところ、
症状が出てくるのと同時に「黄色ブドウ球菌」と「コリネバクテリウム」という2種類の細菌が
異常に増えてくるのを突き止めたということです。
このため抗生物質を投与して細菌が増えないようにしたところ、マウスはアトピー性皮膚炎を発症しなくなり、
逆に抗生物質の投与を止めると2週間ほどでアトピー性皮膚炎を発症したということです。
研究グループでは、アトピー性皮膚炎は乾燥などの環境や体質をきっかけに
皮膚の表面でこれらの細菌が異常に増殖することで起きるとしています。
永尾主任研究員は
「アトピー性皮膚炎はこれまでアレルギー疾患だと考えられてきたが、
細菌の異常増殖などが複雑に関係して発症している可能性が出てきた。
さらに発症の詳しいメカニズムが解明できれば新たな治療法の開発につながるはずだ」と話しています。
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