「脂質を食べたら、体の中でも当然、体脂肪になって蓄えられるだろう」
——こうした漠然としたイメージを抱いている人は少なくないと思うが(医師や栄養士でさえそうだ)、
体脂肪の主な材料はブドウ糖だ。
最新の研究で、口から入った脂質の80%以上は体脂肪として蓄積されずに肛門から排泄されるか、
細胞膜やステロイドホルモンの原料になることがわかっている。
※2割程度は体脂肪になるが、体に害をなす内臓脂肪ではなく、皮下脂肪になる。
しかし、それ以前に、炭水化物と脂質では1日あたりの摂取量がまるでちがう。
茶碗1杯のご飯に含まれる糖質は60g程度。
動物脂や植物油を1度に60gも摂ることは生理的に無理だ。
脂質悪玉説のあやまりはすでに科学的に証明されているのである。
それを裏付ける研究はほかにもある。
※ある種の脂質には、血液をどろどろにしたり、動脈硬化を引き起こしたりする作用がたしかにある。
オメガ6系脂肪酸(リノール酸など)というグループに分類される植物油である。
サラダ油やパーム油、ごま油などに多く含まれており、摂りすぎには注意が必要。
また、リノール酸に水素を添加してつくられるトランス脂肪酸は、絶対に摂ってはならない脂質。確実に身体を害する。
トランス脂肪酸には、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどがある。毎朝の食卓の常連組である。
なお、みんなが忌避する動物性脂肪については、じつはなにも問題がないとわかっている。
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