文太アニィは若い頃はかなりイケメンなのに、三十代で既に男臭さと渋さ満点だね。
しいて言えば健さんと近い路線なんだろうだけど、もう少しくだけて身近にした感じ。
若い頃の石原裕次郎は、当時としてはスマートな長身なのに丸顔の童顔。
立ち姿とかは天性の二枚目なんだけど、本当の肝は愛嬌のある奔放なキャラだと思う。
「太陽に吠えろ」以降は「頼りがいのある父親像」みたいな物をイメージして役作りして
いたらしいけど、元々渋さを出すのはタイプ的に難しかったんじゃないかと思う。
実際ドキュメント番組なんかでは、当時方向性に悩んでたみたいに言われてるね。
子供の頃に見たリアルタイムの「ボス石原」は、派手な三つ揃いをビシッと着込んで
高級クラブでグラスを傾けてるイメージだもんなあ。
多分一歩間違うと金ピカ成金みたいになる危険があるのに、それを覚悟してたのか疑問。
若い頃には武器だった「妙に憎めない少年の様な笑顔」が足枷になって、払拭するのに
苦労した結果「イカした大人=ゴージャス」の方向に行かざるを得なかったのかも。
いっそ二枚目を捨てて貫禄を追求するか、変に渋さを求めず細身をキープして
「二枚目だけどお茶目なオッサン」を狙った方が良かったと思う。
中年期は余り格好良いと思えなかったけど、歳を取ればまた別の魅力を出せたのかも。
でもそれは見せては貰えなかった、やはり「生きていればこそ」だね。
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